類語辞典

作家にはなれなかったが、少しでも美文を書きたいと思い、筆を取ったら類語辞典を開く事にしている。ある意味を最もふさわしいニュアンスで伝えるのにはどの言葉を使うのが良いか教えてくれる。たまに、どうしてもいいことばが見つからないことがある。どのような時かと言えば、方言などで、ぴったりくる言葉があるが標準語にその言葉に当たる言い回しが無い場合である。

筆者は北海道で育った。比較的標準語に近いのが北海道弁と思っていたのだが、カーリング女子の「そだねー」は、方言であったと気が付かなかった。北海道弁に「あずましい」という表現がある。標準語で言えば、「心地よい」とか「快適である」の意だが、少し違う。類語辞典を調べてもいい表現が見つからない。そう、標準語に「あずましい」にあたる表現が無いのだ。実は英語には似たニュアンスの言葉がある。Confortable がどんぴしゃり。この感じを標準的な日本語で表現するのは困難である。

ソシュールは「ある言葉の意味は、隣り合った言葉との境界線で自律的に定義される」と講義している。ある国の言語体系の中に、ある区分けが欠落している場合、その部分は、隣接の言葉に吸収されてしまうのが、自立的に定義される言葉の宿命なようだ。

英語にfigure outという表現がある。英和辞典を引くと、「理解する」とあるが、ニュアンスは少し違う。figureとは数字を理解するというのが元の意味で、outを付けることにより、算術的に根本から合点する、というニュアンスである。日本語には似た表現が無い。「理解する」とか、「解る」という言葉にこの部分が吸収されてしまっている。

「狼」という言葉の無いエスキモーは、隣接の「犬」という言葉にその意味が吸収されてしまった。ここで重要なのは、エスキモーの人達の認識の中に、狼というものが存在していないという事だ。この事を考えると、標準的な日本人にとって、comfortableという感覚は存在せず、figure outという感覚も存在せず、アルキメデスが「ユリーカ!」と叫んだ微妙なニュアンスも日本人は本当は理解していないことになる。

 

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ソシュール理論による外国語学習法

英語が全く駄目だった筆者が言語学者であるソシュールにヒントを得て生み出した2年でTOEIC900点をめざせる全く新しいアプローチの外国語取得方法を紹介します。

髪林孝司プロフィール

髪林孝司

髪林孝司:
システム経営コンサルタント
職歴:
株式会社リクルート
(住宅情報事業部)
株式会社テレビ東京
(経理部、営業部、国際営業部、編成部、マーケティング部、イ ンターネット部などを歴任)

2001年
テレビ東京ブロードバンド企画設立
代表取締役社長就任
(主要株主;テレビ東 京、NTT東日本、シャープ、NECインターチャネル、集英社、角川ホールディングス、 小学館プロダクション、DoCoMoドットコム、ボーダフォン)

2005年
同社東証マザーズ上場

2006年
インターエフエム買収
代表取締役社長就任(兼任)
11年連続赤字累損22億の会 社を1年で4000万弱の黒字会社にターンアラウンド

2008年6月
テレビ東京ブロードバンド取締役退任

略歴:
札幌生まれ
趣味:
ロードバイク
中華料理(家族の食事は私が作っています)
タブラ(インドの打楽器)