扁桃帯は朝襲ってくる。
2012-09-18 (火)
カルト宗教教団が怪しい教義で新人信者を洗脳する際には対象者を眠らせないで、意識が朦朧としたところに繰り返し繰り返し刷り込むそうだ。意識がハッキリしていれば「待てよ、この教義は矛盾しているではないか」と気がつくような不完全な教えでも眠たくて意識が朦朧としているときには受け入れてしまうらしい。うつ者の場合はあたかもこのカルト宗教の様に「悲観的考え」が毎朝毎朝、自分を襲ってくるから適わない。
うつの悪役の「扁桃帯」。恐怖を発露するこの古い脳は、昼間は飼い主とも言える「大脳皮質」に従っているが、飼い主が手を緩める朝、起きがけに襲ってくる。朝、ベッドでうとうとしているときは、頭つまり前頭葉が働いていない。しかし、古い脳である扁桃帯は活動している。「ああお金が無い」、とか「自分はダメな人間だ」、とか「きっと今度の仕事はうまく行かない」、と言った取り越し苦労的考えは、目覚めていて頭がはっきりしていれば、「いやいや結構稼いでいるじゃないか」、とか「自分は失敗もあるが成功もある」、とか「今度の仕事で心配な点は先輩に相談してみよう」とか前向きな思考で打ち消せる。しかし、朝の意識が朦朧としている時は打ち消せない。無防備なのだ。
そのようなときは、どうすればいいのか。朦朧としているときにに知能を使って悲観思考を打ち消すのは難しいが、単純なキーワードを繰り返し唱える事は出来るものだ。悲観的な考えが浮かべば、根拠レスでも「自分は天才だ」、とか「俺はすばらしい」、とか簡単なフレーズを繰り返し繰り返し唱える。自分を肯定する暗示をひたすら念仏の様に唱えるのだ。効果はテキメンだ。
もともと朦朧としているので、複数の事を同時に考えるのは難しい。一旦唱え始めると悲観思考が陰を潜める。そして、しばらく自己暗示を繰り返すと刷り込み効果で悲観思考がおきにくくなるから一石二鳥である。
うつ者は幼少期の環境が原因で自己否定的な傾向がある。この自己暗示作戦は自己否定的傾向を緩和し、自己肯定的な基礎を作る手助けにもなる。