システム経営BLOG

Q45.あなたは神(もしくは神の様な知的エネルギー体)や魂の存在を信じていますか?

神や宇宙のエネルギーを感じ取ることの利点は次の3つです。

①  起こっていることはすべて正しい(ポジティブシンキング)

②  信仰が人間を善に近づける(コンプライアンス)

③  仕事の意義(特にプロテスタント、勤勉、合理的、禁欲)

 

まず①です。ここでは、インドの昔話「アシュタバクラ」のお話をしましょう。

 

昔、インドにジャナカ王という王様がいました。そして、その家臣にアシュタバクラという者がおりました。王様から、「これについて、おまえはどう思う?」と聞かれると、アシュタバクラはいつも、「起こることは、すべて最高でございます」と答えました。王様は、そんなアシュタバクラをとても信頼し、いつもそばにおいていま
した。そして、他の家臣たちが、そのことに嫉妬して罠をしかけたのです。

 ある日、王様が手に怪我をしました。いじわるな家臣たちが、アシュタバクラのところに行き、「王様が怪我をされたことを、どう思う?」と聞きました。アシュタバクラは答えました。「起こることは、すべて最高です」家臣たちは、このことを王様に告げ口しました。「王様!アシュタバクラは、王様の怪我のことも最高と言っております。」それを聞いて怒った王様は、アシュタバクラを牢屋に入れました。

 そして、その日は狩りの日でした。王様は他の家臣を連れて狩りに出ました。王様は、一人で森の奥深くにまで入り、そこで“人食い部族”に捕まってしまいました。その部族は、儀式の時に人を生け贄としてささげ、火あぶりにするのです。ところが彼らは、火あぶりの直前になって、王様が手に怪我をしていることに気づきました。傷ものは生け贄にできないので、彼らは王様を放免しました。

 無事に帰って来ることができた王様は、すぐにアシュタバクラを牢屋から出して、あやまりました。「おまえが言ったとおり、わしが手に怪我をしたのは、最高のできごとであった。しかし、そんな大事なことを教えてくれたおまえを、わし牢屋に入れてしまった。そのことを悔やんでいる。どうすれば、この過ちをつぐなえるだろうか?」

 すると、アシュタバクラは言いました。「王様、私はいつも、起こることはすべて最高だと申し上げているじゃありませんか。もしも、私を牢屋に入れて下さらなかったら、私はいつも狩りでは王様の側から離れないので、いっしょに捕まっていたことでしょう。そして、怪我をしていない私は、生け贄になっていたことでしょう。だか
ら、牢屋に入れていただいて、最高だったのです。」

 これを聞いて王様は悟りました。「そうか!人生で起きることは、本当にすべて最高なのだ。一見よくないことのように見えても、広く見れば最高なのだ。そして、そのことを信じていなければ、それに気づかないんだな。」船井幸雄さんも同様の事を言っておられます。船井さんの言葉に「人生で起きることはすべて、必要で必然でベストなこと。」が有ります。

 私の実体験でもそれがいえます。私は会社を起業して7年目で社長を退任したのは、体調を崩したからです。上場を果たした時の目標は、「タイミング良く辞めて自分がオーナーの会社を興そう」と言うことでした(会社を所有するのが次の目標でした)。ところが、いろいろな事情を考えてしまい行動に移せずずるずると留任し続けました。そして実際辞めた時は、好むと好まざるとに係わらず体調不良で辞めなければならない状況になってからです。

 

しかし、このことが今まで働き詰めであった体を休めるチャンスとなりました。当時体重84キロ、血圧180、糖尿の気配、抑鬱感、神経性腸炎による慢性的下痢、とあのまま続けていたらどうなった事か・・。

 今は体重65キロ、血圧は120、野菜中心の食事を自分で作り、腸は完璧でこのような場で恐縮ですがすばらしい便、抑鬱感も改善しつつあり、おまけとしてスタイルが良くなり、洋服が似合うようになりました。もうしばらく休んだら、今度は自分がオーナーの会社を作ろうと考えています。

 

体調を大きく崩すという一般的には「悪いこと」が自分にとっては良いことだったのです。また、この本も、もし今でも多忙な上場会社の社長業をしていたなら書けなかったでしょう。

 

起こっていることはすべて正しいと理解し始めると、多くの人は因果応報の法則が有ることに気がつき始めます。これが信仰を持つと言うことです。すべての出来事は自分の行った行動の結果であると感じる様になります。人から助けられるには、先ず自分が人助けをしなければならないと思うようになります。

 

私は、愛犬HANAと毎日夜に散歩を楽しんでいます。そのときに、他のワンちゃんの拾い忘れた糞が有ることがあり、私はそれも一緒に拾う事にしています。愛するHANAの健康、長寿を願いながら。

 

次に移ります。人間を善に近づける事は、会社のコンプライアンスに直結します。法律があるから、義務だからとコンプライアンスを考えるのと、心の底からコンプライアンスを信じ体現するのでは大違いです。世間を賑わせる大企業の不祥事は、経営陣が心からコンプライアンスと言うことに価値を見いだしてはおらず、「バレなければいい」と思ってしまう事より起こるのだと思います。

 

「仕事の意義」についてお話します。皆さんマックスウエバーをご存じですか、私は、大学卒業時に一夜漬けで学びました。そのときは内容を深く考えませんでしたが、今ではこの考え方は事実だと思っております。

ウエバーによると、オランダ、イギリス、アメリカなどカルヴィニズムの影響が強い国では合理主義や資本主義が発達したが、イタリア、スペインのようなカトリック国やルター主義の強いドイツでは資本主義化が立ち遅れた。こうした現象は偶然ではなく、資本主義の「精神」とカルヴィニズムの間に因果関係がある。ここでいう資本主義の「精神」とは、単なる拝金主義や利益の追求ではなく、合理的な経営・経済活動を支える精神あるいは行動様式(倫理感)です。

カルヴァン予定説では、救済される人間は予め決定されており、人間の意志や努力、善行の有無などで変更することはできません。禁欲的労働に励むことによって社会に貢献し、あらかじめ約束されている救済を、ようやく確信するようになります。また、呪術は救済に関係がないので禁止され、合理的な精神を育てるようになりました。

このような職務遂行の精神や合理主義は、近代的・合理的な資本主義の「精神」に適合していて、禁欲的労働によって蓄えられた金は、禁欲であるから浪費されることもなく、再び営利追求のために使われることになったのです。

 

 ウエバーの視点から「仕事の意義」を考えると、あらかじめ救済されている自分が本当に救済されていると確信するための努力と言い換えることが出来ます。日本人にはわかりにくい概念ですが、このことにより資本主義が発達、つまり信仰心が健全な資本主義を生んだのは事実と思います。

 

 私は特に決まった宗教を信仰している訳では有りませんが、空を見て現在の自分の境遇に感謝する事がしばしば有ります。義務ではなく、本当に感謝しているからです。

 

第45章のまとめ

神や宇宙エネルギーなど人間より偉大なものの存在を信じる事により、健全で、社会に役に立ち、結果もうけも多い職業人になることが出来る。

 

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Q44.あなたは①職人、②管理職、③アントレプレナーのうちどのタイプですか?

一般的な中小企業は、社長が職人気質で個人商店の形からスタートしている場合が多いです。ところが商売が繁盛してくると経理、人事、総務などの管理業務が社長を待っています。元々職人タイプの人は、このような管理業務が得意ではありません。

私の高校時代の親友に札幌で税理士を開業している島上浩一さんがいます。彼のクライアントは飲食店が多く忙しくしています。さぞ事務所としても安定的な利益を出しているのだろうと聞いてみると、「いや、クライアントのほとんどが職人タイプで、年度末になって日付もバラバラな領収書を持ってきて、後はよろしくお願いします、と言う人が多い。くたびれ損の骨もうけである」とぼやいておりました。

このようなお店は、年度を締めるまで儲かって居るかどうか分かりません。実際は大きな赤字を出しているのに年度末まで気がつかないと言うケースはしばしばあるそうです。このような会社は、いくら繁盛しているように見えても資金繰りが行き詰まり黒字倒産する事も希では無いとのことです。

私のおすすめは、事業が発展し管理業務が増え、自分でこなすことに無理を感じたら、管理業務の得意な人を雇い入れる事に限ると思います。社長は職人の仕事に集中していればいい。

このような状態で会社が発展する場合、3つの落とし穴が有ります。

一つは、社長が1職人としての仕事しかせず、残りを管理担当の人に丸投げしチェックもしていない場合。たぶんこの管理の人は遅かれ早かれ会社を辞めてしまうでしょう。実は管理関係の仕事は本来社長が最終的に判断をしなければいけない分野で、ここを丸投げしたのでは、管理担当者が普通の給与で社長の仕事、例えば資金繰りなど、をする羽目になる。これでは割に合わないと感じ始めるからです。

もう一つは会社が実質管理担当者のものになってしまうと言う現象です。例えば、従業員は社長の言うことは聞かないが、管理担当者の言うことはよく聞く、等です。実際にリスクをとっている社長が「社長の権限を明け渡す」とするならこれもいいでしょう。ただし、その場合は社内社外に混乱を産まないため、この管理担当者を社長にすべきです。

実例では、マイクロソフトの創立者ビルゲイツ氏は、3年くらい前から、「自分はCEOの職責よりCTO(技術開発担当責任者、つまり職人)の方が才能を活かせる」と考え、スティーブパルマー氏にCEOの座を明け渡してしまいました。

あともう一つ、不正です。人間弱いもの、他人のお金をチェックなしに預けられると、最初は変な気が起きなくとも、時間の経過とともに自分の懐にお金を入れたくなるのが人情です。このような事は、やる本人が悪いのは当たり前ですが、このような環境を作ってしまった創業者にも責任が有ると私は、思います。不正の出来ない、仕掛け作りを創業者が作っておくことは、管理担当従業員への思いやりです。

アントレプレナータイプの人が持っているのは「情熱」とリスクをとる「勇気」です。これは職人タイプの人が併せ持っている事が多いです。しかし、成り行きで会社を作ってしまったとか親の事業を継いだ場合など社長の右腕左腕には情熱を持ちリスクを取る人が必要です。

このような3つの資質が会社運営に必要なのは、マイケルEガーバー著の「初めの一歩を踏み出そう」から、多くを学びました。希に三拍子そろった人がいます。しかし、前に学んだ様に、1人で会社を切り盛りするとワンマン体制になりやすいので、主に管理面にCFOを置きCEOはその報告を聞くとした方がいいと思います。

第44章のまとめ
事業には「職人」「管理」「アントレプレナー」の3つの資質が必要。一つでも欠けると事業は行き詰まる。仮に社長すべて併せ持っていても、ワンマンを避け権限を分散したほうが経営はうまくいく。

MEG

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Q43.社長は自分には人望があるとお考えですか?

人望とは何でしょう?誠実さを持っていれば、皆人望を得られるのでしょうか?例えば誠実なプロテスタントの牧師は、イスラーム原理主義の人たちに から人望を集めることが出来るでしょうか?
第二次世界大戦直前、日本に誠実な反戦論者が居たとして、一般の人たちから人望を得られたのでしょうか?

史上最悪の大殺戮を起こしたヒットラーは国民より人望を得て、クーデターではなく正式に当時の憲法や法律に則り政権を取りました。

このように人望とは、難しいものです。

私は、人望を次のように定義したいと思います。

「ある一定数の人数が集まる集団において、共通の理念や思想を作りだし広める為に、または先人より受け継いだ思想を堅持する為に、コミュニケーション能力を駆使して得られる多数の共感」であると。

人望には思想が正しいか間違っているかの入り込む余地は有りません。正邪に関係なく、自分の思想や考え方が皆の共感を受けているか否かが問われるのです。例えば、金儲けで人望を集める人は、金儲けに関して皆の支持を得ている人です。

では、正義や博愛など、人々から尊敬を受ける様な思想は無駄なのでしょうか。そんなことはありません。すばらしい人材は、すばらしい思想、そしてバランス感覚のいい正義に集まるものです。

前に触れましたが私の失敗だった、「部下からの謀反」は、私が間違っていたからではなく、コミュニケーション不足だったからです。

第43章のまとめ

人望は、コミュニケーションより生まれる。正しい思想でコミュニケーションすると人望が集まり、結果良い人材が採用できる。

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Q42.そもそも社員は、どういったことでモチベーションが上がるとお考えですか?

次の通りです。

motiva

この中で、見えないガラス感についてお話します。これは、私が尊敬する和田創研の和田さんから聞いた話です。

水槽にカマスを買います。中央にガラスで出来た見えない壁を差し込みます。えさをカマスの居ない方に振りかけます。そうすると当然カマスはえさを食べようとして、ガラスに頭ごと衝突します。このままの状態で数日が過ぎるこりにはカマスも学習し、もうガラスに頭を向けよとしなくなるそうです。そして、ガラスを外すと、おもしろい現象が起きます。向こう側にはいけないと諦めたカマスは、遮る物は何もないのに係わらずえさを食べようとしません。出来るはずなのに数日の失敗で諦めてしまうのです。抑圧型会社のサラリーマンはカマスの様に、諦めてしまい、よく言うと「分をわきまえ」てしまい、消極的職業人生を送る事になります。

では、反対の青空思考とは何でしょう。リンカーンの様に、自分には必ず出来るはずだと諦めず、とうとう達成してしまう人達です。水泳の北島選手、柔道の谷選手、日本に仏教を伝えた鑑真和尚、トロイの遺跡を発掘したシュリーマン、青色ダイオードを発明した中村修二氏、舞茸の栽培に世界で初めて成功した大平喜信氏などたくさん居ます。

ここにあなたも知っているある人の定年後の人生をご紹介します。

  • 54歳で軍隊を退役、事件に巻き込まれ貯金をすべて失い、
  • 手元には借金と妻のあげるおいしい唐揚げのレシピ
  • 銀行に資金をお願いに行き、
  • 資金を手にするまでに、出資者に920回断られ
  • 61歳、921回目に資金提供者に出会い
  • そして起業
  • ケンタッキーフライドチキンを世界企業に

そうあのメガネを掛けたひげのおじいさん、カーネル(大佐の意味)サンダースです。いつもケンタッキーフライドチキンの店の前でにこやかに私たちを迎えてくれます。彼は、銀行に何回断られてもめげなかった。銀行のドアを叩き続けたのです。

第42章のまとめ

好きな仕事を、自発的に、全体を見渡しながら、自分には出来るはずだと信じつつ、自己実現を目指し、社会貢献実現を考えると、魂は燃えさかり最後には青空思考(自分に限界は無い)になる。

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Q41.会社業績において、「従業員のやる気」の占める割合は何割くらいとお考えですか?

これはずばり100%です。私が起業した会社の人事部の名称を「モチベーションデザイン部」にしました。それが重要だからです。

「やる気」は次の3つの成功の条件に火を付けるガソリンです。

①   着手をためらわない事、

②   改善を繰り返しながらやり続ける事、

③   出来るまであきらめいこと

この中でも、一番大切な事は、着手することです。着手とはゴール(成功)へのたった一つしかない入り口です。構想はすばらしいのになかなか着手しない人がいます。いろいろといいわけをしてなかなか着手しない。着手しない理由など一万通り有ります。明らかなガソリン不足です。

皿洗いを例にとると、誰でも食後の皿洗いはおっくうに感じるものです。しかし、一旦皿洗いを始めると、流れる水の感覚、シャボンの色、きれいになっていくお皿達。決して苦痛でなく、おもしろささえ感じてしまうのは、私だけでしょうか?しかし一方で、皿洗いに着手出来ない人もいるのです。

継続性に関しては、34章で触れましたが、着手して努力を続ける内にますますやる気が出て来ると言うことを復習しておきましょう。

そして、ゴール(成功)への黄金の切符は「出来るまであきらめないこと」です。あきらめるのは、自分ですので、自分さえあきらめなければ失敗したことにはならない。あのエジソンも電球の実験に900回以上失敗してもあきらめず、とうとう白熱灯を発明してしまった。入り口は一つですが無数の出口を試していく、というのがあきらめないと言うことです。

さて、次の人は誰でしょうか?ふつうに見れば単なる敗北者です。

  • 21歳 事業失敗
  • 22歳 選挙落選
  • 24歳 事業失敗
  • 26歳 恋人死亡
  • 27歳 ノイローゼ
  • 34歳 下院議員落選
  • 36歳 下院議員落選
  • 45歳 上院議員落選
  • 47歳 副大統領なりそこなう
  • 49歳 上院議員落選
  • 52歳 ?

歴代の大統領の中でも燦然と輝く人、第16代アメリカ合衆国大統領、名前をエブラハムリンカーンと言います。彼は、着手も早く(21歳で事業を興している)着手し、継続して挑戦し、決してあきらめなかったのです。

あきらめないと言うことは、手を替え、品を換え、やり続けることです。日本電産の創業者永守重信さんの言葉で「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」と言うのがあります。この3つの言葉にすべてが語り尽くされています。ガソリンの豊富な人、つまり「やる気」のある人なら出来るはずです。

私も会社を作り、あきらめずがんばって来ました。あきらめないと、おもしろいことに偶然助けてくれる人が現れたり、課題が思わぬ方向から解決されたりします。そういうことを私は何度も経験しました。このことをセレンデピティとシンクロにティといって目標に向かいがんばる人に必ず訪れます。

第41章のまとめ

成功の3要素、「着手する」、「改善しながら継続する」、「あきらめない」を実行するにはガソリンが必要。従業員に十分なガソリンを与えることの出来る会社は繁栄する。

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Q.40社員教育はどのような形式でおこなわれていますか?

社員教育を行っている会社は意外に少ない様です。「いや、うちはオンザジョブトレーニングでしっかり教育を行っている」という方も多いでしょうが、OJTは教育の範疇に入りません。仕事上のマニュアルを教えているだけです。

社員教育は大きく分けて3つ。

①   社内のコミュニケーションを改善する為の物

②   専門性の高い勉強をすること

③   人生啓発に当たるもの

です。

社内のコミュニケーションをよくする為のものは実は重要にもかかわらず行われていない事が多いです。そういう私もここをないがしろにして、手痛い失敗を起こしました。会社設立後3年ほど経った頃でしょうか?幹部社員に連盟で血判状の様な物を主要株主に送られたのです。株主の方で私をかばってくれて、結果的に誤解であった事が分かり事なきを得ましたが、私がもしオーナー社長だったなら辞任していたと思います。

相手は、分かっていてくれるだろうと思って、よかれと思ってしていることもコミュニケーションが十分でないと「会社をだめにしようと思っている」ととられてしまいます。私の場合がそうでした。

リクルート時代ROD(Recruit Organization Development)と言うのを受けた事が有ります。ある人の為に、一緒に仕事をしている仲間が一泊2日で研修所に缶詰になり、その人物の強み、弱み、人格の全体像、優しさ、厳しさなど自分でも気がつかい様な事を話し合います。最後にそれをまとめ、本人も参加者も納得の上、その人が向上出来るようなキャッチフレーズを作ります。本人と仲間はそのキャッチフレーズを共有すると同時に達成の為の手助けをします。自分の問題点が分かり、それを仲間と共有する事によりコミュニケーションUPを実感しました。

専門性の高い領域の勉強ですが、これは会社がお金を出してあげる事だけです。英会話、経理財務、マーケティング、マネジメント、リーダーシップ、コンプライアンス、などグロービズの様な学校に習いに行くか、国内、海外を問わずMBA取得を金銭面で後押しする、とかです。私が起業した会社でも、英会話は会社が全額負担、グロービスも会社負担でかなりの人数の人が受講していました。おもしろい事にこのように実学で学びに行く人は、その分野に興味を持ち、自習で本を読み始めます。結果が出るにはそんなに時間はかかりません。半年もすると、マインドが開き初め、考え方が変わってきます。

最後に自己啓発関連です。実は、この分野はなかなか難しく座禅をして悟りを開くような物です。最初のうちはロバートキヨサキなどのお金を得る方法からスタートする方が多い様ですが、そのうちそれだけでは、物足らなくなり自己実現などの方向に向かいます。そしてそれを極めてくると今度は精神世界へ向かい、最後は宗教と自己啓発のすれすれのところまでいってしまいます。もちろんそれで宗教(伝統的でたくさんの信者のいる宗教)に帰依するのもいいことと思います。

何の為に働くのか、自分は社会に何が出来るのか等を同僚とともに考え、熱心に進むのは、業績もさることながら、行為そのものがすばらしい事だと思います。

パナソニック、ソニー、本田などの会社は働く意味を文化として持っていて、今の成功が有るのだと思います。松下幸之助は「ウチでは、電化製品を作っているのでは有りません。人材を作っているのです」といった言葉は有名です。

仕事を通して自分の人生に意義を見いだし、それを仲間と共有して、結果それが社会貢献につながる。こんなすばらしい事は有りません。

第40章のまとめ

OJTは研修の内に入らない。研修はコミュニケーションUP、専門知識取得、そして人生啓発の三つが必要である。特に人生啓発は、社員の人生を豊かにする意味で重要である。

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Q39.社長室や役員質は華美ですか、部長の椅子に肘掛けはついていますか。

これは社員中心の会社か、中央集権的な会社かどうかを判別するポイントの一つです。リクルートには、役員室というのは存在しませでした。役員達は社員と一緒のフロアで同じ机を使い仕事をしていました。傍から見れば誰が役員なのか分かりません。

一方、破綻に追い込まれた英会話教室NOVAの社長室は華美であるとして保全管財人が一般に公開しました。この件は国会でも批判され、当時の甘利経済産業大臣がコメントしているほどです。

社長が自分の意向で社長室を華美にするだけでは有りません。取り巻きが社長におべっかを使い大きな社長室を作ってしまうことの方が多い様です。日本テレビが新社屋の設計をしているとき、当時の氏家会長が、図面を見ると広大な広さの会長室が設えてある。これを見て怒りだし、広い会長室はいらないと命じたそうです。このケースは、氏家さんは見識を持っていたと言うことになります。

部長になると、細かい話ですが、椅子に肘掛けが着いたり、デスクの他に書類入れが付いてきたりと微妙に差を付ける会社があります。私のいたテレビ局もそうでした。役職と備品には差を付けるべきではないと私は思います。

新入社員は役員室や社長室、部長の机を見て自分との職制や職責の違いを感じ取ります。偉い人と自分は職制において大きくかけ離れていると思います。これは、小学生が職員室を見る目と同じです。第7章で見たように、社員に経営者目線で仕事をしてもらうにはこのような暗示はよくありません。経営陣の机が大きく、大きな椅子や華美な個室を作ると、社員は経営者の目線を持とうとしなくなります。

第39章のまとめ

華美な社長室、肘当てのついた部長の椅子。これらは無意識に社員の経営目線を阻む。出来れば経営陣は、社員と同じフロアで仕事し、社員と同じ机を使うのが良い。

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Q38. 社長は、限定責任というシステムを理解していますか?

Jソックス法の時代、管理職や社長の責任は重くなるばかりですが、社会システム的には資本主義の国で社長の責任は有限です。例えば社長在任中に業績不振になってしまい、これによって株主価値を毀損したり、従業員が減給になった場合でも、社長個人がその保証を問われることはありません。仮に上場会社であっても、社長が悪意無くいっしょうけんめい職務を遂行してさえいれば、株主代表訴訟を起こされれても、保障責任を問われることはまずありません。たとえば脱税や詐欺行為、その他 法律に違反することをしていて、そのせいで株主や第三者に損害を与えた場合は責任追及の対象となりまがしかし「法律の則って誠実に業務に励んで来たが、経営が苦しくなり会社の価値を低めてしまった」などは責任追及対象にはなりません。

つまり、まじめにやっていて、他人に迷惑を掛けたというのは、資本主義の世の中では、「あり」なのです。また、仮に個人保証をしていて金銭の責任を負っている場合でも、まじめにやってさえ来ておれば刑事事件になることはなく、個人破産止まりです。個人破産といっても、自分の資産がマイナスになるわけではありません。お金を持っていれば、とられますが、それでも90万円ほど手元に残してくれます。再度社長にもなれるし、海外へ渡航も出来ます。選挙もOKです。個人破産と聞けば、不名誉な事と思われるでしょうが、アメリカなどではむしろ失敗経験がある方が評価されその後の再挑戦での資金調達がうまくいったりします。

よく起業や社長就任に二の足を踏む人がいます。しかし、一度は社長業を経験してみてください。有限責任という社会システムは経営者を守ってくれます。社長業はまたとない勉強になること太鼓判です。私は、社長と副社長の距離は、副社長と新入社員の距離より離れていると思います。副社長では味わえない、社長だけにしか触れることの出来ない経験が出来るのです。

第38章のまとめ

資本主義は有限責任。リスクをおそれず社長になろう

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Q37.社長は、自分に自信がありますか?

「先ほど目標は映像化するといい」と申し上げました。その映像をどのくらい信じられるかが自分自身への自信の尺度になります。映像化は出来たが、どうも初めの第一歩が踏み出せない事がまま有ります。これでは、やる気がまず起こらず、結果自信など生まれるはずがない。

しかし自信はイマイチだけどとにかく着手してみる。そうすると、毎日目標に向かって試行錯誤するので、よっぽど無茶な(たとえば私がマラソンでロンドンオリンピックに選出され金メダルをもらうなど、)目標でなければ、毎日毎日日が経てば経つほど自信がついてきます。

はじめから自信のある人などいません。実行するというシステム過程で自信を深めて行くのです。

Q37.の答えはその意味では、自信を持っていても、持っていなくてもいい、と言うことになります。ただ目的は、しっかりビジュアル化し脳に定着させる。後は着手する事です。そして日々努力と改善を繰り返しながら自信を深めていく。これをシステム化して下さい。もしそれでも自信が持てなかったら、たとえば一ヶ月経った頃に、それまでの道のりを思い出してみる事です。そこには必ず自信につながる改善や工夫の轍が残っているはずです。

そして毎日毎日実施した工夫や改善、場合によっては後退を紙に書き残し、しばらくして眺めて見てください。目的地への確かな手応えを感じるはずです。

第37章のまとめ

自信はあっても、なくてもよい。ただ自信を持つように努力すること。それには、実行有るのみ。毎日の小さな積み重ねでも一定の期間を経て振り返って見ると大きく前進している事に気づき自信に繋がる。そのためにも日記もしくは進捗表を毎日付けよう。

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Q36.前章にある目標を具体的な行動計画としてシステム化し、はじめの一歩を踏み出していますか?行動計画は、最短距離、つまり直線になっていますか?

やる気とは何でしょうか?第8章でスターリンの例を出しました。シベリアに送られ、好きでもない仕事(穴掘り)ですら一度やり始めるとやる気を持ってしまうのが人間です。

この話を別の角度から考えてみます。登山家の野口健さんの体験です。野口さんのお話では、エベレストの山頂を目指した人の1割以上の人が死亡しているそうです。プリンストン大学の調査では、8人に1人が死亡するとのことなので、12.5%となります。いずれにしても非常に危険な賭です。

野口さんが最初にエベレスト登頂を成功させたのは、25歳の時で3回目の挑戦だったと言っています。2回目の挑戦の際、山頂まで残り200メートルのところまで来たそうです。実は、エベレストはこの200メートルが最も危険だそうです。そのとき雲行きがやや怪しくなりました。偶然一緒のところに居合わせたスイス隊は山頂目指して上り始めました。このまま行くべきか、引き返すべきか。野口さんの中ではこのまま山頂を目指すと死亡の確率が少なからず有ることは承知していました。しかし、応援してくれるスポンサー、日本のメディアの反響、自分自身の名誉、そして何より後200メートルのところまで来る課程の努力苦労。この今まで目標を持って苦労してきた事を自分の意志で放棄することは非常に難しい事です。

結局野口さんは、引き返す判断をしました。次のチャンスが有ると無理矢理自分を納得させたそうです。その後の情報によれば、あの野口さんを超えて山頂を目指したスイス隊9名は全員死亡したとのこと。彼らもリスクを知っていたでしょう。このことからも一旦目標を持って苦労し、それを途中で取りやめることの難しさを表しています。

これらの事より導かれるのは、人間は目標を持った時ではなく、実際アクションを取り始めてから本物のやる気が出てくる。ゴールに執着し始める。それを途中で断念するのが難しいほど執着を持つ。

私もFMラジオ局を苦労して買収し、再建を果たしました。2年目には、当初の目的であった、ラジオを使いインターネットでもうける、と言うビジネスモデルに着手するはずでした。つまり登山にたとえると7合目くらいまで来ていた。しかし前述の通り私の読みの甘さで最後までやり通せなかった。この時の私の気持ちは「人生を失った」思いでした。そしてこのことがきっかけとなり、すっかり体調を壊してしまいました。

そう、やる気を出すには、出来れば自分で決めたことを目標にまず第一歩を踏み出す事です。そうして頂上に近づけば近づくほどやる気が倍増してきます。

ただし、見込みが外れてうまくいかない事が判明したときには、引き返さなければならない。引き返さないと会社の場合致命傷を負いかねません。しかし、これはかのスイス隊の様に難しい。

本題に戻ると、目標は設定するだけでやる気は出ない。第一歩を踏み出して始めて本当のやる気がでると言うことです。そこまでをシステム化する。そして、一直線に行きたいと思うのが人情ですが、途中でクレバスがあったり難所を迂回したりとまっすぐには行けないのが現実です。迂回を繰り返しながらも、最終ゴールをイメージし少しでも頂上に近づく努力をする。これが、仕事における目標達成の実態ではないでしょうか?

第36章のまとめ

やる気はアクションを起こしてから湧き上がる。頂上に近づくとよりやる気がでる。ただし、途中で迂回をしたり危険を感じたら引き返す事。この引き返すことは、意外に難しい。

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ソシュール理論による外国語学習法

英語が全く駄目だった筆者が言語学者であるソシュールにヒントを得て生み出した2年でTOEIC900点をめざせる全く新しいアプローチの外国語取得方法を紹介します。

髪林孝司プロフィール

髪林孝司

髪林孝司:
システム経営コンサルタント
職歴:
株式会社リクルート
(住宅情報事業部)
株式会社テレビ東京
(経理部、営業部、国際営業部、編成部、マーケティング部、イ ンターネット部などを歴任)

2001年
テレビ東京ブロードバンド企画設立
代表取締役社長就任
(主要株主;テレビ東 京、NTT東日本、シャープ、NECインターチャネル、集英社、角川ホールディングス、 小学館プロダクション、DoCoMoドットコム、ボーダフォン)

2005年
同社東証マザーズ上場

2006年
インターエフエム買収
代表取締役社長就任(兼任)
11年連続赤字累損22億の会 社を1年で4000万弱の黒字会社にターンアラウンド

2008年6月
テレビ東京ブロードバンド取締役退任

趣味:
ロードバイク
中華料理(家族の食事は私が作っています)
タブラ(インドの打楽器)