Q39.社長室や役員質は華美ですか、部長の椅子に肘掛けはついていますか。
2010-06-07 (月)
これは社員中心の会社か、中央集権的な会社かどうかを判別するポイントの一つです。リクルートには、役員室というのは存在しませでした。役員達は社員と一緒のフロアで同じ机を使い仕事をしていました。傍から見れば誰が役員なのか分かりません。
一方、破綻に追い込まれた英会話教室NOVAの社長室は華美であるとして保全管財人が一般に公開しました。この件は国会でも批判され、当時の甘利経済産業大臣がコメントしているほどです。
社長が自分の意向で社長室を華美にするだけでは有りません。取り巻きが社長におべっかを使い大きな社長室を作ってしまうことの方が多い様です。日本テレビが新社屋の設計をしているとき、当時の氏家会長が、図面を見ると広大な広さの会長室が設えてある。これを見て怒りだし、広い会長室はいらないと命じたそうです。このケースは、氏家さんは見識を持っていたと言うことになります。
部長になると、細かい話ですが、椅子に肘掛けが着いたり、デスクの他に書類入れが付いてきたりと微妙に差を付ける会社があります。私のいたテレビ局もそうでした。役職と備品には差を付けるべきではないと私は思います。
新入社員は役員室や社長室、部長の机を見て自分との職制や職責の違いを感じ取ります。偉い人と自分は職制において大きくかけ離れていると思います。これは、小学生が職員室を見る目と同じです。第7章で見たように、社員に経営者目線で仕事をしてもらうにはこのような暗示はよくありません。経営陣の机が大きく、大きな椅子や華美な個室を作ると、社員は経営者の目線を持とうとしなくなります。
第39章のまとめ
華美な社長室、肘当てのついた部長の椅子。これらは無意識に社員の経営目線を阻む。出来れば経営陣は、社員と同じフロアで仕事し、社員と同じ机を使うのが良い。