Q38. 社長は、限定責任というシステムを理解していますか?
2010-06-01 (火)
Jソックス法の時代、管理職や社長の責任は重くなるばかりですが、社会システム的には資本主義の国で社長の責任は有限です。例えば社長在任中に業績不振になってしまい、これによって株主価値を毀損したり、従業員が減給になった場合でも、社長個人がその保証を問われることはありません。仮に上場会社であっても、社長が悪意無くいっしょうけんめい職務を遂行してさえいれば、株主代表訴訟を起こされれても、保障責任を問われることはまずありません。たとえば脱税や詐欺行為、その他 法律に違反することをしていて、そのせいで株主や第三者に損害を与えた場合は責任追及の対象となりまがしかし「法律の則って誠実に業務に励んで来たが、経営が苦しくなり会社の価値を低めてしまった」などは責任追及対象にはなりません。
つまり、まじめにやっていて、他人に迷惑を掛けたというのは、資本主義の世の中では、「あり」なのです。また、仮に個人保証をしていて金銭の責任を負っている場合でも、まじめにやってさえ来ておれば刑事事件になることはなく、個人破産止まりです。個人破産といっても、自分の資産がマイナスになるわけではありません。お金を持っていれば、とられますが、それでも90万円ほど手元に残してくれます。再度社長にもなれるし、海外へ渡航も出来ます。選挙もOKです。個人破産と聞けば、不名誉な事と思われるでしょうが、アメリカなどではむしろ失敗経験がある方が評価されその後の再挑戦での資金調達がうまくいったりします。
よく起業や社長就任に二の足を踏む人がいます。しかし、一度は社長業を経験してみてください。有限責任という社会システムは経営者を守ってくれます。社長業はまたとない勉強になること太鼓判です。私は、社長と副社長の距離は、副社長と新入社員の距離より離れていると思います。副社長では味わえない、社長だけにしか触れることの出来ない経験が出来るのです。