システム経営BLOG

Q15.目標は長期的がいいですか?それとも短期的がいいですか?

どのような産業・業界でも寿命があります。横軸に時間をとり、縦軸にお金(売り上や利益)をとるとだいたい下図の様になります。(神田昌典さんの本に詳いです)

curve3

右図を見て分かるのは、売上高の曲線(産業拡大曲線)と利益の曲線は一致しないと言うことです。現代では、企業の大きさ(時価総額や純資産)を図るのは「売り上げ」ではなく「利益」であると言う考え方が定着しています。そこで、利益曲線を見ると、成長期、発展期に利益が上がり成熟期や衰退期には下がって行く事が分かります。神田さんの説では、「あるビジネスが寿命を全うした場合、その一生に稼ぎ出す利益の実に70%は成長期及び発展期に眠る」とのことです。

また、ある大手監査法人の代表が言っていましたが、「50年以上続く大手企業で今でも創業当時と同じ事をしている会社は一社もない」そうです。つまり永続的企業は、自社のビジネスが成熟期に入る前に、新しいビジネスを生み出している。企業が所属する産業自体(企業立地)から別天地に移動してしまう事さえある。このことを「企業の立地替え」と言います。

IBMは世界初のコンピュータハードメーカーでしたが、パソコンの普及により、大型コンピュータのニーズが減ったこと、デルコンピュータなど新興パソコンメーカーにパソコン事業で遅れをとったこと等で、10年ほど前に苦境に立ちました。外部からルイスガースナーをCEOとして招聘し、いわゆる企業の立地替えを断行しました。なんとハードメーカーを辞めてしまうという大胆な立地替えです。大手コンサルティング会社アクセンチュアを買収し、今はITソリューションを武器にしたコンサルティング会社として大成功しています。

いつまでも同じビジネスにしがみついているのは危険です。ふつうのビジネスの寿命を30年とすると15年目位には新しい分野の開拓が必要です。IT産業の様に5年おきにビジネスモデルが変わるような業界では2年おきくらいに新しいビジネスを開発出来なければ、成功は一瞬で終わります。

実は私は、この立地替えで失敗しました。稼ぎ頭であったモバイルコンテンツビジネスが衰退期を迎えましたので、新しい事業の開発を大がかりに進めました。今でもビジネスモデルに欠陥はなかったと思っていますが、大株主への説明が不足していた。新規ビジネスを始めて半年ほどで、親会社よりストップを掛られてしまいました。これはやはり説明不足の私に非がありました。

第15章のまとめ

長期にわたり、一つのビジネスモデルにしがみつくのは危険である。各々モデルには寿命があり、それが成熟期に入る前に新しいモデルを開発しなければ、一つのモデルの終焉とともに会社はその幕を閉じる。

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Q14.社員一人一人は、業務のカイゼンつまりトライアンドエラーを毎日繰り返していますか?また、トライと促進する社内システムをおもちですか?

ビジョナリーカンパニー(Jコリンズほか)にある3Mの話を少しさせてください。3Mは元々自動車の板金加工を手がけていたとのことです。ある日社員の一人がおもしろいものを車に貼り付け車に塗装をしているのをほかの同僚が見つけました。今までの塗装は窓やバンパーなど塗料のいらないところをよけて塗るのに高度な熟練を要していました。ところがこの若い男は、塗料を塗らない部分と塗る部分の境界をビニールのテープで覆ってしまい、その上から塗料を塗る方法を思いついたのです。この方法は塗装作業に飛躍的な改善をもたらしました。ただ、それを見ていた別の男の方が会社を繁栄させました。一般消費財としてそのテープを売り出したのです。それがあの「スコッチテープ」です。

彼らの社訓は「To solve unsolved problems innovatively」翻訳すると「未解決の問題を革新的な方法で解決する」ことです。ポストイットも社員が自分で作り使っていた「剥がせる付箋」を見た他の社員が商品化したものです。

皆さん、コカコーラの誕生秘話をご存じですか?もともとは、Vin Marianiというコスタリカ人が考えた医療用カクテルで、ワインとコカの実をブレンドしたものした。コカの実は元々リューマチ痛や高地での高原頭痛などの鎮痛作用の薬でした。つまり麻酔薬としてのコカインが少量入っていたのです。その後、アメリカアトランタの薬剤師であったJohn Pembertonはこれと同様なものをPemberton’s French Wine Coca.と呼んで販売し始めヒット商品になりました。1886年禁酒法によりワインの替わりに独自のシロップを使い合法的な飲み物にしました。19世紀の終わりには、コカイン入りの飲料が禁止されたため、コカの実からコカインを除外することに成功し今のコカコーラの源流になります。

その後、元アトランタ市長で薬局チェーンの経営者Asa Griggs CandlerがこのレシピをPembertonから当時のお金2300ドルで買い取ります。もともと彼は、新薬になりそうなパテントを買い取り商品化するビジネスをしていました。殺菌効果のあるこの飲み物をうがいまたは飲むことにより、除菌用の飲料として販売するはずでした。しかしふたを開けてみると、大人の嗜好品として大成功を納めることになります。

偶然から生まれる商品の方が、ニーズを先取りし、計画的に生まれる商品より数が多い、というのが「ビジョナリーカンパニー」のJコリンズの分析です。

よい製品やサービスを開発するには、マーケティングも大切ですが、偶然も大切です。偶然の商品は、経営者から生まれることは多くない。なぜなら、多くの人がいろいろなアイディアを出し、その中からの偶然の方が断然数が多い。つまり、打席に多く立っていることになります。また大抵の場合、そういう商品は元々の用途と違った商品のはずです。

社員一人一人がトライアンドエラーを繰り返し、射撃でいえば下手でも鉄砲をどんどん撃ち、そのうち「偶然」大当たりが出る。この偶然をねらうには、多くの人数と多くのトライが必要です。

もともと業務の「カイゼン」とは小技の積み重ねが会社の競争力を向上させるという、日本のお家芸です。これはリーダーの仕事ではなく、社員皆の仕事です。また「カイゼン」は生産プロセスに有効なだけではなく、事務仕事のプロセスにも応用できます。

それに加え、「おまけ」としてたまに会社を大きく飛躍させるチャンス(社内ナレッジの商品化)が眠っている。トライアンドエラーは、2度おいしい「イチゴ大福」のようなものです。

黙っていて毎日実験と挑戦を続けられる人は多くないと思います。仕組みやシステムとしてこのトライアンドエラーを社内に作り込むのが社長の仕事です。

第14章のまとめ

トライアンドエラーは一粒で2度おいしい。はじめは、「カイゼン」の積み重ねによる業務の効率化や競争力の向上、もう一つは偶然から生まれる商品のブレーク。

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Q13.目標へのアプローチ方法を会社と社員は共有していますか?

この質問を見られたあなたは、「会社が目標へのスタンダードなアプローチの方法を提示し、それを社員に共有する(教育する)」と思われたのではないでしょうか?しかし本当の意味は違います。

本当の意味は、「社員一人一人が、自分の建てた目標に対し(会社の建てた大きな目標の部分集合が前提)社是社訓を参考に自分自身でアプローチ方法を考えそれを会社や他チームとナレッジマネジメントする(よい方法をほかのチームと共有する)、です。地方分権型のシステム経営ですが、ノウハウを共有するというところがミソです。

実は、私はこれで痛い経験をしました。

私が起業した会社は少人数のアメーバー(京セラのコピーライト)で運営されていました。目標へのアプローチ方法はアメーバー自身で考えていたのですが、アメーバー同士の競争心を煽り過ぎたせいか、よい結果が出てもそのアプローチ方法やノウハウをほかのアメーバーに教えたがらない、という問題が起きたのです。これでは会社全体として、競争力を最大化できません。

そこで会社の管理部門が各アメーバーの情報をヒアリングすることにしました。このウィークリーレポートをいう制度でナレッジマネジメントの状況は大分改善されました。後に気がついたのですが、一番よいのは、ナレッジマネジメントの為のブレストをたまに(四半期に一度くらい)全社レベルで開催することです。実施の結果は予想通りで、活発な議論が出来、結果ナレッジマネジメントに貢献しました。

第13章のまとめ

目標へのアプローチ方法は社員やアメーバーが考える。会社と共有するのは第一義的にはナレッジマネジメントの為であって報告の為ではない。

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Q12.社員に管理会計をどのように見せていますか?

管理会計の見せ方で大切なのは3点です。①「誰にでも簡便に見ることが出来ること。」、②「見やすい事」、③会計3表(B/S、P/L、C/F)と完全に一致していることです。

誰にでも好きなときに見えると言う点では、インターネットが圧倒的に有利です。私の会社では、当初ロータスノーツを使って管理会計を社LANで可視化していましたが、後にふつうのインターネットページに作りなおしました。

管理会計の見せ方で大切なのは3点です。①「誰にでも簡便に見ることが出来ること。」、②「見やすい事」、③会計3表(B/S、P/L、C/F)と完全に一致していることです。

誰にでも好きなときに見えると言う点では、インターネットが圧倒的に有利です。私の会社では、当初ロータスノーツを使って管理会計を社LANで可視化していましたが、後にふつうのインターネットページに作りなおしました。

見やすいことに関してですが、これはまず、指数が簡便で社員が計算方法を知っていること。GUI(画面のインターフェース)をわかりやすくするため、図表、色などを駆使すること。次の図は、ROIを指標に使っている会社の例です。ランキングで色分けされており、見やすいと思います。

チーム名 営業利益 営業キャッシュフロー ROI IRR
チーム★

21

17

32%

26%

チーム●

22

12

29%

32%

チーム■

14

10

19%

22%

チーム▲

15

9

14%

21%

チーム◎

8

-4

4%

9%

チーム*

3

-2

1%

2%

チーム※

-5

-11

-6%

3%

図表を社員全員が見る事により、業績のいいチームは自己表出欲が満たされ、業績の悪いチームは何らかの対策を準備するようになります。また経営陣や社外役員などにとっても会社の状況が手に取る様に分かるので便利です。

実は私は当初、管理会計の数字を財務諸表とは別に入力させていました。しかし毎月少しですがP/Lと数字があわない。これでは、信憑性がない。そそこで、財務ソフトよりC/Fを取り出しそれをデータベースに取り込む事にしました。これで完全一致です。

第12章のまとめ管理会計は、①見やすさ、②フリーアクセス、③財務諸表と一致、が大切。

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Q11.社員全員に基礎的な財務教育を施していますか?

管理会計の指標は一つに絞るべきと述べました。ここで新たな問題が発生します。たとえば指標をキャッシュベース、プロジェクトベースのROIに置いたとしましょう。しかし、この説明の意味が分かる人が普通の会社に何人いるでしょうか?そう多くはないと思います。

またたとえば、営業利益とフリーキャッシュフローの折衷案の様なEBITDAにしたとして、社内に分からない人の方が多いはずです。

そう、新たな問題とは、指数はたとえ一つに絞ったとしても、難しい指数では、社員は理解できない、という問題です。では、簡単な指数にすればよいではないかと、思われるかもしれません。しかし現代において業績を測る指数として、分かりやすい「売上高」を採用したとしても、株価や会社の時価総額に全く関係がないことは、少し株をかじったことのある人ならご存知のはずです。意味がないのです。

それでは、上場企業などが対外発表に使っている最新の会計基準に則った決算諸表上の数値、たとえば営業利益などにすればどうでしょう。確かにROIよりは分かりやすいでしょう。社内に指数を浸透させるための第1ステップとしてはいいと思います。

しかし、私が結論として一番いい指数だと思うのはROIもしくはIRRです。その理由を例を用いて説明します。

ここに3つの会社があり、それぞれ1億円の利益を生んだとします。これだけを聞くと、三社とも同じ業績と思いがちですが、実は最初の会社は1億円儲けるのに、資本を100億円使い、次の会社は10億円しか使わなかった。どちらが効率よく儲けているかといえば、2番目の会社です。しかし、ここで3番目の会社が登場します。この会社は10億円の元手で1億儲けたのには変わりありませんが、2番目の会社が1年かけて稼いだものを、この会社は半年で稼いでいます。3番目の会社が一番儲けている事になります。

このような理屈は決算諸表には直接現れません。(C/F計算書を直接法とした場合)しかし、ROIを算出しておくとよく分かります。

実は、いくら投入しどの位の期間でいくら儲けるか、この投資とリターンの比率、つまりROIという名の「利息」の多寡が現代資本主義経済の「いくら儲けたか」の指標としてスタンダードになりつつあるのです。さまざまな面のあるゆる経済活動の目的を一言で表すとすればそれは「利子」ということに収斂されていくと考えています。

さて、利子の計算です。損益計算書や貸借対照表では利子は計算できないのでしょうか?できないこともないのですが、「正確に」というと難しいのです。実は、貸借対照表、損益計算書などは会社の財政状況を分かりやすくは描き出しますが、それは実は手書きの似顔絵のようなもので、写真的ではありません。つまり作者の意向に従ってお化粧出来るのです。エンロンやカネボウなどの事件で発覚までに時間がかかったのは、お化粧を見破るのが簡単ではなかった、からです。以前ある大手監査法人の幹部より話を聞いたことがあります。曰く「社長が経理などに長けており、本気で粉飾決算をしようと思えば、どのような監査法人でも見抜けない。ただそのような会社はキャッシュがなくなり倒産する。キャッシュは嘘をつかない」とのことです。

キャッシュフロー計算書とは、現金のやりとり(流れ)を直接記録して作成します。それ故キャッシュフロー(C/F)は誤魔化しようがありません。ただし欠点としては、C/Fを損益計算書のような見方で見ても1年とか短い期間では、儲かっているかどうかよく分かりません。そこでROIの登場です。

一つのレストランがあります。このお店ではエビを使ったメニューが好評で、これだけで月に売上100万円を稼ぎ出します。年間売上1200万円なので、原価率35%とすると、原価合計は420万円。

また、営業利益率を6%とすると、年間営業利益72万円となります。

このとき、この原価に相当する420万円の使い方を2つのパターンに分けて考えてみましょう。

仮に4月1日に1年分の冷凍エビを420万円で一括仕入れたとします。売上を毎日、普通預金(利率1.2%)に預け、月末に月間売上の59%を販売管理費として支払うとすると、年間の受取利息は3万3千円ほどになります。これを営業利益とあわせ、期末に40%の税を支払うと年間の利益は45万2千円ほどになります。

今度は冷凍エビを毎日仕入れて一日の終わりに現金で仕入れ代を払った場合を考えます。 売上から原価を差し引いて預金することになりますので、この場合年間の受取利息は8千円。しかし、今回は420万円を運用する機会を得ますので、このお金で例えばアジア株のインデックスファンドを買うと年利で4.7%が稼げます。ファンド運用益は19万7千円になり、年間の税引後利益は55万5千円。

ROIはそれぞれ、10.8%と13.2%です。利益率6%の会社で2.6%の差は極めて大きい金額差と成ります。

このように真実を示すC/FをROIという係数で考えると、儲かっているかどうかが分かります。丸山学さんの「社長になる力」の中に「会社とは何か(なぜ会社を設立するのか)」という問いが有ります。後章で詳しく述べますが、この本には会社とは、「投資物件である」と書いてあります。言い得て妙と思います。

C/Fを利息に置き換えると儲けているかどうか分かります。銀行に預けて来年利息でいくら儲かったかと同じです。これらの概念は一見簡単に見えますが、実際に実務で使うには、一定の財務の知識が必要です。(ご興味のある方は私のホームページよりエクセルの計算式を無料でダウンロード出来ます)

伊藤忠商事の社員から聞いたのですが、同社は新入社員から2年間程度は管理部門で財務をみっちりこなし、その後各事業部へ配属するそうです。各事業部の利益管理はもっぱらROI(一つの指標)で行われ、少しでも多くのROIを稼ぐために皆がんばっているとのことです。

このような教育もシステム経営の為のひとつのパーツです。経営システムを運用するためには、考え方の基礎を教育しなければなりません。

第11章のまとめ

社員に指標を理解してもらう為の基本的な財務教育は必須。

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Q10.数値目標の指数はひとつに絞り込んでいますか?それとも複数ありますか?

さて、管理会計の話に戻ります。ここでもうひとつ大切な質問をします。それは「業績を図る指標は一つですか二つ以上ありますか?」です。意外にダブルスタンダード、トリプルスタンダードの会社が多いことに驚かされます。

私の勤めていたテレビ局はダブルスタンダードの典型でした。編成制作部門の人間は視聴率というスタンダードを追い求め、他方営業など収入部門はお金(それも売り上げ)を追う。またそのように会社から求められていました。

ある尊敬する営業の先輩が当時、当たり前のように言いました。「自分はこれから編成局に転出する。今日まで自分の言ってきたことは、異動日になれば完全否定する。」とのことでした。何だかとっても変な気がしました。

テレビ局ではこの「お金」と「視聴率」というものが常に対立していました。お金を儲けるには、若い女性をターゲットにするのが得策ですが、他の局も皆同じターゲットを狙っています。単に世帯の視聴率を上げるには、熟年をターゲットにした方が有利な場合が多いのです。

このようにお互い後ろに抱えている目標が違うのですからそもそも会話は成立しないのです。また視聴率をお金に換算する方法はありますが計算が複雑なのと、個人視聴率と世帯視聴率という数字のどちらかを使うのかでも話が違ってきますので、結果、話は平行線です。

これをたとえば家作りに例えると、「三人の大工がいて、一人はメートル法、一人は尺貫法、一人はヤード・ボンド法(一インチなど)で変換比率が分からない状況を想像して見てください。家はきっと立ちません。

テレビ局のような極端な例は稀かもしれません。しかし普通の会社でも、お金を追っているのか、シェアを追っているのか、はっきりしてなかったり、仮にお金として、それは、売上のことなのか、営業利益のことなのか、経常利益のことなのか、最終利益のことなのか、統一した見解を持たない会社が意外と多いものです。

最近のはやりでいえば、フリーキャッシュフローやROI(RETURN OF INVESTMENT)と営業利益を両用する会社もあります。この2つの財務指標は似て非成るものです。ROIには時間の観念が入って来ます。両用はしばしば混乱を生み出します。

このように、指数が複数あるということは、「自由」より芽生え、「社是社訓」によって強化され、「管理会計における指数」によって継続性を持った肝心要の社員の「やる気」が、社内で分割されてしまうことを意味します。

目標の達成度を測る指標はひとつにすべきです。仮にそれが、売上であれ、地域のシェアであれ、フリーキャッシュフローであれ、とにかく一つにまとめることです。コンピュータを例に取ると、昔はMSDOSというOSの上にパソコンメーカー各社がいろいろなソフトウェアを用意していて、お互いに互換性が無く、仕事で使うには不便でした。またTCPIPという共通の通信言語が開発されるまでは、複数の通信言語がありコンピュータ同士がつながりませんでした。

指標を一つにすることは、社内の頭脳はお互いに一つの言語でつなぎ合わされ、ナレッジは共有され、社員同士が同じ言語で議論出来ます。

業態によって適切な指標はあると思います。たとえばビデオレンタルショップは地域のシェアを指標にしたり、私の友人が経営する飲食チェーンはROIを指標として使っていたりします。大手の商社もここ数年で、ROIを指標として使い始め業績を上げています。複数年を見る場合はIRRなどの指標もよろしいと思います。

私は、指標の分かりやすさも大切と考えています。この件に関しては後の章に譲ります。

第10章のまとめ

目標までの道のりを示す管理会計上の指標(物差し)は、一つに絞り込むこと。

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Q9.社員全員が、会社全体やチームの業績を月次もしくは日次で把握していますか?

社員に地図とコンパスを与える話をしました。今度はそれを見る頻度です。私は少なくとも一日3回は見てほしい、と思います。自分の位置を常に確認し毎日、小さな改善を積み重ねて欲しいと思います。同じ数字を見ながら社員全員が毎日小さな改善を積み重ねていけば、結果として大きな成果となります。成果を出すとはそうものと私は信じています。

全社の数字と自分のチームの両方を常にチェックできるシステムや環境が大切です。両方見るのは一見2つの目標を追っているようですが、チームの目標が全社目標の部分集合なわけですから、大括りでいえば皆会社の目標を追っているのです。

まれに、自分達のチームの数字のみを気にかけるようシステムを使っている会社があります。このような会社は、皆バラバラで統一感に欠けています。より大きな目標の為に今自分はこの目標を追っているのだ、という心がなければ他のチームのことは他人事となってしまいます。

実は、私が創業した会社も一時期社内がバラバラになってしまいました。私自身会社がバラバラになることのディメリットに気付かなかったのです。このディメリットとは、社内でナレッジマネジメントが出来なくなるということです。つまりノウハウの共有化が進まない。ノウハウの共有なしに、各チームバラバラに業務を進めると、同僚に聞けば一分で済む話を一から研究しノウハウにたどり着くまで一週間かかるということが、頻発し非効率を認識した次第です。

話は変わりますが、ダイエットに一番有効なことはなんでしょうか?私は実は二回ダイエットに成功しています。一回目は高校時代。高校2年生の時に85キロあった体重を約半年で65キロにまで落としました。リバウンドもなく30代後半まで体型をキープしました。30代後半、非常に多忙になりストレス太りだと思いますが、体重がまた80キロを超え、血圧も高くなりました。そこで再度、今回も同じことを実施し、現在体重は65キロで半年以上変動がありません。さて、そのコツとはなんでしょうか?聞けばみなさん、なーんだ、と思われるでしょうが、そのコツとは、「何キロ減量するか具体的に目標を決め、それに要する期間を決め、あとは(ここが一番大切ですが)毎日体重計に乗る。できれば毎日3回乗る。今自分がどの位置にいるかを繰り返し自分に知らしめる」のです。実は、肥っているときには、体重計に乗るのは嫌なものです。でも毎日乗るのです。現実から逃げずに。

もうひとつ意外と効果があったのは、「第三者にダイエットを宣言し、目標体重と期間を告げ、体重チェックに付き合ってもらう」です。私は2番目のダイエットの時に、職場の近くの内科医の先生に付き合ってもらいました。実は、この先生からは、血圧を下げる薬を一生飲むか、体重を身長(メートル表示で170cmの人は、1.7)で2回割り24までがぎりぎりセーフ出来れば19とか20と望ましい。この数値を目指してダイエットするか、どちらかを選択してほいしいと言われていました。私は、ダイエットを選び月に何回か進捗を先生に診てもらったのです。第三者に見られているというのは自分一人だけで数時を見ているより頑張れるものです。

会社の指数管理システムも同じと思います。自分だけで自分のチームの数字を見るよりは、自分たちの数字を他のチームも見ているという感覚が努力を促すものと思います。

数字をチェックする頻度と、皆に自分の業績を見せること、これがモチベーションをさらに高めます。

第9章のまとめ
小マメなチェックが可能で会社全体と自分たちチームが一目瞭然のシステムを作る。毎日体重計に乗るように毎日このシステムを見るのを習慣とする会社は目標を達成する。

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Q8.社員のひとり一人が自分の会社に及ぼす貢献度を、数字で分かるシステムはありますか?

前章では、「自由や権限の大きさ」が「やりがい」に結びつくことを学びました。しかし、この「自由や権限の大きさ」はあくまで「社員の心に火つける」だけで、「情熱の継続」は別の話です。別のシステムが必要です。

マラソンはゴールまで42.195kmと知っているから頑張れるのです。また選手はよく時計を見ますが、自分がどの地点にいてどのぐらいのタイムで走っているかを確認することが、ゴールまでの気力につながります。山上りは頂上が見えた方が、力が湧いてきます。またところどころに何合目という印があり、自分がどのくらい頂に近づいたかきが分かるようになるのも励ましになります。

これらを「仕事」という視点で考えてみると、何キロ走らなければならないのかを知らない。現時点でのタイムが分からない。霧が山を覆い頂上が見えない。今何合目にいるのかもさっぱりわからない。このような状況で頑張り続けるのは非常に難しい。仕事は、今までの自分の成果を見て初めて、ゴールまで継続する力が湧いてくるものです。

この「いままでの自分の成果というものがいかに重要か」を逆説的にスターリンが証明しています。政敵をシベリアに送り、「国家の為に穴を掘れ」と命じます。政治犯も国家のためと言われると、必至で穴を掘る。穴を掘る作業は掘る面積と深さが示されます。つまりゴールが見えるわけで、最初は頑張れる環境が与えられるのです。さて何人かで必死の思いで穴を掘りあげます。そうすると。今度はその穴を掘り返した土で埋めろという指令が出ます。意味が分からないまま埋めると、また同じところを掘れという命令が下ります。これで屈強な政治犯も精神を病んでいくそうです。今までの自分の必至の成果を無価値にして、さらにそれを何回も繰り返させるというのは、スターリンが人間の心の構造をよく知っていて悪用した例と言えます。それも非常に効果的に。

自由と権限を身にまとい、将来に向かってチャレンジしていこうとする社員には、会社が「地図とコンパス」を用意しなければなりません。この地図とコンパスに当たるものが、「管理会計」という仕掛けですアメリカ軍の戦車のようにITで重装備された管理会計が必要です。全社の財務状況とチームの財務状況、個人個人の貢献度、これが三位一体で全社に公開されていなければなりません。公開というよりは、社員の目に必ず触れるように工夫し、「見たくなくても目に入る」、マス広告のようなプッシュ型の仕掛けが必要です。

私が創業した会社では、インターネットにより全社にすべてのチームの業績を公開し、トップページにはそのランキングをのせ、業績のいいチームから、青、黄色、赤、グレーと色分けしていました。そしてわたしは、青のチームにはほぼ無制限の権限を与え業務報告も四半期に一度としました。赤のチームは毎週レポートを要求し、グレーになると3か月以内に事業の売却か撤退を要求しました。このようなコンパスがあって初めて、社員達は、経費の削減、売上の向上、そして両者のバランスなどを、経営者目線でしかも継続的に努力し続けることが出来たのだと思います。

非上場の会社では、会社の業績さえ社員に公開していない事が少なくありません。これでは、社員は問題意識を持つことができず、社長のロボットのように働くしかありません。つまり社員に権限と自由がない活性化していない組織になってしまいます。

権限という名の自由を与え、真の自由の為の社是社訓を与え、さらに進捗状況や方向性の是非が手に取るよう分かるのるための管理会計の仕掛けを用意する。これらが揃って初めて長期間にわたる活性化された組織が出来ます。正しい判断が出来ます。それが会社の継続的な高業績につながるのです。社長と社員が同じ目線になるのです。

第8章のまとめ
社員のやる気を継続発展させ、社員に正しい判断を促す為の、コンパスと地図に当たる管理会計システムが会社には必要である。その仕掛けは、プル型ではなくプッシュ型でなくてはならない。

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Q7.目標達成の為、大幅な権限を社員に委譲していますか?

社員一人一人の目標が全社目標の部分集合になっているのが望ましい事が分かりました。では全社目標を踏まえた上で、社員各々の目標やゴールイメージはどのようなプロセスで設定されるべきでしょうか?
これは、第一章にあった自由と関連性があります。人間は自由に、自発的に決めたことは、他人から押し付けられたことより、真剣に取り組む傾向があります。何故なら、自分で目標を考えるプロセス自体に、責任感が育くまれる要素があり、また興味を持てる要素があるからです。また、自分の目標の背景を考えることにより。会社の現状、所属する業界の状況、ひいては社会の経済状況などに思いを寄せることにもつながります。
このような学びのプロセスを経るのと経ないのでは、取り組み方に大きな差が付きます。会社側から任務を一方的に命令されることは多くの会社で行われていることです。辞令を発令してから、異動の背景やポジションの重要性を説明しますが、はっきり申し上げて満足している人は少ないはずです。「サラリーマンだから当然」と言って、甘んじて受けている人は多いのではないでしょうか
少し話題はそれますが、この辞令一枚で人事異動という慣習は日本だけに見られる現象であることをみなさん御存じでしたか?特に勤務地の移動が伴ういわゆる転勤命令が絶対命令なのは日本だけです。
「超整理法」で有名な野口悠紀雄先生の本業は日本経済論です。著作の中に「1940年体制、さらば戦時経済」があります。
この本の論旨は、「現在日本企業で当然とされている考え方の始まりはそれほど古くなく、実は第二次世界大戦の戦時経済から始まって今でも続いている」、というものです。つまり現代企業の、「新卒採用」「終身雇用」「年功序列」「年齢給」「業界賃金一律制」「人事異動」などの制度は戦時中に確立され、戦後も官僚制とともに温存され、戦後の高度成長に貢献した、とのことです。
マッカーサーは憲法を変え、天皇の位置づけを変え、財閥解体など民主化を進めましたが、実は会社そのものを動かす仕組みには手を加えなかったらしいのです。
会社都合で紙切れ一枚の辞令に絶対従わなければ会社を辞めなければならないという暗黙の了解も戦時の軍事・経済体制で官僚や軍需産業などから始まり、やがてすべての組織に広まったそうです。
私が社長を務めていた会社では、本人の承諾なしに会社が一方的に部署や、勤務地を変える命令を出してはいけない、としていました。社員には非常に好評でした。
管理部門をやるか、営業をやるか、コンピュータのプログラムをやるかなど部門をまたいで、自分の役割を自分で考え決めるのです。私が感じた結論として、皆一旦自分で決めた後は、彼らは決死の覚悟で自分の目標達成に向かって努力していた。しかも楽しみながら、という事実です。
自分で決め、自分で道を切り開いていく、この過程で自分を成長させていく。仕事が「労働」から「学び」へと変わる瞬間です。
第6章のまとめ
自分で立てた目標は、他人に与えられた目標よりも、達成しようという熱意の面で勝る。また本人の勉強になる。

さて社員一人一人や末端事業ユニットの権限に話に移ります。いくら自分で立てた目標でも、それを実施する際、それ相応の権限がなければ、やる気が萎えてしまいます。いちいち上司にお伺いを立てたり、役員会で稟議に回したりなどは権限がある状態とは言えません。あと、困るのは、権限がある様な無い様なはっきりしない場合です。上司は権限を与えると言っておきながら、同時にホウレンソウ(報、連、相)を強いる。これは全く権限がないのと同じです。

別の視点から。第一章で申し上げた自由(権限)とやる気の相関関係について私の経験をお話します。

私が社長をしていた会社は、当初、株主から出向社員を派遣してもらっていました。2年から3年たつとそれら出向社員に面白い現象が起きました。出向社員をもとの会社に戻すと、会社をやめてしまう、という珍事が続いたのです。どの会社も一流企業なのに、預かった社員6人のうち、4人が会社を辞めてしまいました。実は私は辞めた人間の気持がなんとなく解っていました。

実際私に相談しに来る時はすでにやめることを決意していて、本人曰く「会社の歯車の一部のような感じでモチベーションが湧かない」「経営に関していろいろなことに気がつき会社に提案するが上司は解ってくれない」とのことでした。

私が起業した会社は、現場の社員が経営者や会社オーナーの視点が持てるよう、さまざまな仕組みを作り込んでおきました。この仕掛けでの業務プロセスを経験した人は、すべて経営者や会社オーナーの目線になります。つまり権限が無限大。したがって、元の会社に戻っても「いまさら、権限のない一従業員に戻れない」というわけです。

もうひとつ権限について、別の事例を引いてお話ししましょう。

一昨年でしたか、NHKスペシャルでアメリカ軍のITによる進化について分析している特集がありました。

そもそも近代的軍隊組織を完成させたのは、「戦争論」を書いたプロイセン生まれのクラセヴィッツとその弟子でプロイセンの将軍であったモルトケによると言われます。特にモルトケの軍隊編成方法は中央集権組織の原型とされ、組織経営史上の功績と見なされています。

1991年1月に始まる第一次湾岸戦争までは、クラセヴィッツの考えた中央集権的組織がアメリカ軍をはじめ様々な国の軍隊組織のスタンダードでした。この時のアメリカ軍は、すでにIT化が始まっており、参謀本部はITの力であらゆる情報を手元に集め、そこで作戦を立て各戦地に指令を出していました。イギリス軍は当時多国籍軍で戦争展開する為にアメリカ軍の情報装備にキャッチアップするのが大変だったと言っています。

しかし、2003年の3月に始まる第二次湾岸戦争では、アメリカの軍隊編成や作戦行動は一変します。これまでのように情報を中央に集中させるのではなく、個々の戦車などをIT武装し戦場現場に情報を集めます。毎日の作戦行動(たとえば戦車による爆撃)などは各々の戦車内でITによる情報分析をもとに決断され実行されます。

これにより、アメリカ軍の戦場における判断スピードは格段に向上しました。それに加えて、現場同士がITにより、戦況や作戦の成果など、直接情報交換することで「ナレッジマネジメント」の精度が飛躍的に向上しました。

従業員はシステムで管理する。システムはルールなので、ルールの範囲ないで従業員は自由なプロセスで仕事ができる。システムの無い会社はいちいち上司にお伺いを立てなければならず、これではやる気が萎えてしまいます。

第7章のまとめ

現場が立てた目標を意欲的に達成してもらうには、完全な権限委譲が必要。重要事項の上司への事後報告を許容することは、現場での判断を早める。自分自身での意思決定は判断力を高め組織を活性化させる。その為には目標の計数化と業績をいつでもチェック出来るシステムが必要。

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Q6.個々の社員の目標は、自らが設定していますか?それとも会社から与えられていますか?

社員一人一人の目標が全社目標の部分集合になっているのが望ましい事が分かりました。では全社目標を踏まえた上で、社員各々の目標やゴールイメージはどのようなプロセスで設定されるべきでしょうか?
これは、第一章にあった自由と関連性があります。人間は自由に、自発的に決めたことは、他人から押し付けられたことより、真剣に取り組む傾向があります。何故なら、自分で目標を考えるプロセス自体に、責任感が育くまれる要素があり、また興味を持てる要素があるからです。また、自分の目標の背景を考えることにより。会社の現状、所属する業界の状況、ひいては社会の経済状況などに思いを寄せることにもつながります。
このような学びのプロセスを経るのと経ないのでは、取り組み方に大きな差が付きます。会社側から任務を一方的に命令されることは多くの会社で行われていることです。辞令を発令してから、異動の背景やポジションの重要性を説明しますが、はっきり申し上げて満足している人は少ないはずです。「サラリーマンだから当然」と言って、甘んじて受けている人は多いのではないでしょうか
少し話題はそれますが、この辞令一枚で人事異動という慣習は日本だけに見られる現象であることをみなさん御存じでしたか?特に勤務地の移動が伴ういわゆる転勤命令が絶対命令なのは日本だけです。
「超整理法」で有名な野口悠紀雄先生の本業は日本経済論です。著作の中に「1940年体制、さらば戦時経済」があります。
この本の論旨は、「現在日本企業で当然とされている考え方の始まりはそれほど古くなく、実は第二次世界大戦の戦時経済から始まって今でも続いている」、というものです。つまり現代企業の、「新卒採用」「終身雇用」「年功序列」「年齢給」「業界賃金一律制」「人事異動」などの制度は戦時中に確立され、戦後も官僚制とともに温存され、戦後の高度成長に貢献した、とのことです。
マッカーサーは憲法を変え、天皇の位置づけを変え、財閥解体など民主化を進めましたが、実は会社そのものを動かす仕組みには手を加えなかったらしいのです。
会社都合で紙切れ一枚の辞令に絶対従わなければ会社を辞めなければならないという暗黙の了解も戦時の軍事・経済体制で官僚や軍需産業などから始まり、やがてすべての組織に広まったそうです。
私が社長を務めていた会社では、本人の承諾なしに会社が一方的に部署や、勤務地を変える命令を出してはいけない、としていました。社員には非常に好評でした。
管理部門をやるか、営業をやるか、コンピュータのプログラムをやるかなど部門をまたいで、自分の役割を自分で考え決めるのです。私が感じた結論として、皆一旦自分で決めた後は、彼らは決死の覚悟で自分の目標達成に向かって努力していた。しかも楽しみながら、という事実です。
自分で決め、自分で道を切り開いていく、この過程で自分を成長させていく。仕事が「労働」から「学び」へと変わる瞬間です。
第6章のまとめ
自分で立てた目標は、他人に与えられた目標よりも、達成しようという熱意の面で勝る。また本人の勉強になる。

社員一人一人の目標が全社目標の部分集合になっているのが望ましい事が分かりました。では全社目標を踏まえた上で、社員各々の目標やゴールイメージはどのようなプロセスで設定されるべきでしょうか?

これは、第一章にあった自由と関連性があります。人間は自由に、自発的に決めたことは、他人から押し付けられたことより、真剣に取り組む傾向があります。何故なら、自分で目標を考えるプロセス自体に、責任感が育くまれる要素があり、また興味を持てる要素があるからです。また、自分の目標の背景を考えることにより。会社の現状、所属する業界の状況、ひいては社会の経済状況などに思いを寄せることにもつながります。

このような学びのプロセスを経るのと経ないのでは、取り組み方に大きな差が付きます。会社側から任務を一方的に命令されることは多くの会社で行われていることです。辞令を発令してから、異動の背景やポジションの重要性を説明しますが、はっきり申し上げて満足している人は少ないはずです。「サラリーマンだから当然」と言って、甘んじて受けている人は多いのではないでしょうか

少し話題はそれますが、この辞令一枚で人事異動という慣習は日本だけに見られる現象であることをみなさん御存じでしたか?特に勤務地の移動が伴ういわゆる転勤命令が絶対命令なのは日本だけです。

「超整理法」で有名な野口悠紀雄先生の本業は日本経済論です。著作の中に「1940年体制、さらば戦時経済」があります。

この本の論旨は、「現在日本企業で当然とされている考え方の始まりはそれほど古くなく、実は第二次世界大戦の戦時経済から始まって今でも続いている」、というものです。つまり現代企業の、「新卒採用」「終身雇用」「年功序列」「年齢給」「業界賃金一律制」「人事異動」などの制度は戦時中に確立され、戦後も官僚制とともに温存され、戦後の高度成長に貢献した、とのことです。

マッカーサーは憲法を変え、天皇の位置づけを変え、財閥解体など民主化を進めましたが、実は会社そのものを動かす仕組みには手を加えなかったらしいのです。

会社都合で紙切れ一枚の辞令に絶対従わなければ会社を辞めなければならないという暗黙の了解も戦時の軍事・経済体制で官僚や軍需産業などから始まり、やがてすべての組織に広まったそうです。

私が社長を務めていた会社では、本人の承諾なしに会社が一方的に部署や、勤務地を変える命令を出してはいけない、としていました。社員には非常に好評でした。

管理部門をやるか、営業をやるか、コンピュータのプログラムをやるかなど部門をまたいで、自分の役割を自分で考え決めるのです。私が感じた結論として、皆一旦自分で決めた後は、彼らは決死の覚悟で自分の目標達成に向かって努力していた。しかも楽しみながら、という事実です。

自分で決め、自分で道を切り開いていく、この過程で自分を成長させていく。仕事が「労働」から「学び」へと変わる瞬間です。

第6章のまとめ

自分で立てた目標は、他人に与えられた目標よりも、達成しようという熱意の面で勝る。また本人の勉強になる。

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ソシュール理論による外国語学習法

英語が全く駄目だった筆者が言語学者であるソシュールにヒントを得て生み出した2年でTOEIC900点をめざせる全く新しいアプローチの外国語取得方法を紹介します。

髪林孝司プロフィール

髪林孝司

髪林孝司:
システム経営コンサルタント
職歴:
株式会社リクルート
(住宅情報事業部)
株式会社テレビ東京
(経理部、営業部、国際営業部、編成部、マーケティング部、イ ンターネット部などを歴任)

2001年
テレビ東京ブロードバンド企画設立
代表取締役社長就任
(主要株主;テレビ東 京、NTT東日本、シャープ、NECインターチャネル、集英社、角川ホールディングス、 小学館プロダクション、DoCoMoドットコム、ボーダフォン)

2005年
同社東証マザーズ上場

2006年
インターエフエム買収
代表取締役社長就任(兼任)
11年連続赤字累損22億の会 社を1年で4000万弱の黒字会社にターンアラウンド

2008年6月
テレビ東京ブロードバンド取締役退任

2009年から2012年
四川料理レストラン「龍井酒家」オーナーシェフ

2013年~現在
コンサルティングファーム 株式会社フォーカス代表取締役
その他社外役員多数

趣味:
楽器演奏(タブラ、ピアノ、クラリネット)
読書(哲学、歴史など)
音楽(クラシック音楽鑑賞、オペラ鑑賞)
演劇観劇
四川料理
スポーツ(スキー、ゴルフ、ロードバイク)