システム経営BLOG

Q53.あたなは、人を許せますか?

「情けは人のためならず」と言う言葉があります。私は、「許しは人のためならず」と思います。

「ゴースト天国からのささやき」という外国ドラマをよく見ます。主人公のメリンダゴードンは霊能者です。出場する霊達は皆誰かに恨みや怒りを持っていて天国に行けないでいます。主人公のメリンダは霊と人間の間に入り、霊が「許しの心」を抱くのを助けます。許した瞬間に天国から光が射しこみ霊はその光の方にすすみ昇天します。

私は、生きている人間も同じと思えます。何かがあって誰かを恨む。恨むには十分な事実がある。しかし、メリンダの霊の様に恨んでいる間は、決して癒されません。恨む事で自分の持つ傷口をさらに悪化させ、他のことに注意が行かなくなるのです。このような状態は本人にとって本当に不幸です。

私は、「恨みや怒り」はネガティブな感情の中でも最悪と思います。それだけ人の心を縛る力がある。社員に大きな影響力をもつリーダーが誰かを恨んだり、怒りの感情を抱いたりすれば、そのネガティブな感情は社内に広がり、社員皆余計なストレスをため込むのです。

誰かにひどいことをされた。その時は許すに限ります。自分の為に。

部下がヘマをした。ヘマだったことは冷静に伝えておくべきですが怒ってはいけません。何人もの部下を持つ人ならいちいち怒っていると身が持ちません。

怒りっぽい人は、その場で怒らずに次の日に部下を呼び冷静にお話するべきです。それと、瞑想をおすすめします。日常生活の中から怒りの感情が徐々に薄まって行きます。(私が体験済です)

第53章のまとめ

恨みや怒りは自分の感情を支配束縛し、心の傷を深くする。許しは傷口を癒し、ネガティブな感情を霧消させる。

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Q52.あなたは、人間が好きですか?

経営者が成功するのに最も大切な資質とは何かという問いに関して私はいつも同じ答えを返します。それは、「人間が好きであること」です。会社の成功不成功は90%が人にまつわる事で決まります。従業員は優秀か、活性化しているか、幸せか、などです。従業員を会社にとっての競争上の最も影響力の大きいアセットと見なし、ここに情熱と愛情を注いで行くのが経営者の仕事です。

逆に人間嫌いの人にとって経営はやや難しい事と思います。このような人は、研究者、科学者、プロ棋士、アスリート、小説家、漫画家、タクシードライバー、大学の先生などいくらでも職業は有ります。

実は、人嫌いの人は意外に多い。あのピータードラッカーですら自分には先見性があるが、実業の世界では成功出来ないタイプで会社のマネジメントは苦手と公言しています。やはり組織を動かす人を目指すなら、人に関心が向かない人では長続きしません。

お釈迦様は6人の弟子に6通りの説法をしたと言われています。相手のレベルによって話す内容を変えたのです。社長にもこの能力が求められます。1人1人に関心を持ちそれぞれのレベルや課題を把握しそれぞれに最適なアドバイスする事が重要です。人嫌いではとても続きません。

では、人間嫌を自覚している人で、会社のマネジメントを担わなければ成らない人はどうすればいいのでしょうか?自分が人嫌いと決定的に思える場合は、直ちに管理職を辞め、研究職や現場の仕事、専門職などに職制を変えるべきです。さもなくば、上司である自分も、部下である若者たちも不幸に成ります。

第52章のまとめ

人嫌いでは、組織をマネジメント出来ない。

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Q51.あなたは、順法精神とフェアネスに関しどういう見解をお持ちですか?

政治家でも経済人でも反則すれすれのところで戦っている人は長続きしません。村上ファンドの村上さん、ライブドアの堀江さん、田中角栄、私が尊敬するリクルート創業者江副さん、エンロン、MCIワールドコム、山一証券、カネボウ、日興證券、雪印、中央青山監査法人、などきりがありません。堀江さんは無罪かもしれない。しかし、反則と思われそうな事をしたのは事実で、冤罪の可能性もあるが、少なくとも起訴されてしまった。この時で実質的にはアウト。誤解を受けない経営の方が効率はいいです。

これに対して、松下幸之助、本田宗一郎、稲盛和夫さん、井深大、森田昭夫、土光敏光、後藤田正晴、フォレンバフェットさん、などは疑われる心配が無い。ルールを守るというお墨付きを人々からもらうために努力してきた人たちです。いまの時代ほど企業経営に透明性を求められる時代はありません。やましいことをしてもすぐにばれるのです。こんな時ほど、遵法精神を持つ方が効率的です。

順法精神は誠実さと近い関係にあり、このことは人から尊敬されるかどうかの分かれ目です。尊敬されなければ人を動かすのにエネルギーを使い、言うとおりにしてくれたとしても、心から納得していない場合、行動に情熱が伴わないものです。

フェアプレイとは、ルールを守りフェアに戦う事です。いつも思い出すのは、オリンピックの山下選手が足を痛めた時の決勝戦です。相手は決してけがをしていた足をねらわなかった。そこを狙って勝っても誰からも尊敬されず、もらう金メダルに価値は無いと分かって居たからと思います。私はよくこの試合の事を思い出しますが、それはこのフェアな相手を思い出すからです。

第51条のまとめ

フェアプレイをしていないと、いつか行き詰まる。ズルは人から尊敬されない。

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Q50.あなたは仕事には、効率を求める方ですか?

私も仕事には効率性が大切だと思っていました。目的まで一直線に最短距離を行けばいいと考えていました。しかし実際に会社を経営して見るといろいろな事が起こります。あの事さえ無ければ計画通りだったのにとか、株式市場がもっと活気づいていれば資金が調達出来たのにとか、大株主がもっと柔軟だったらやり遂げられたのにとかです。

しばらく社長をしていて分かった事は「世の中先は分からない」と言うことです。先の分からない事に対して、自分たちに都合のいい計画を立てても余り意味はない。よく大企業では長期計画と称して、3カ年、5カ年などの計画を立てます。このような計画がうまくいかない事はソビエト連邦の崩壊を見ても明らかです。

また、計画を立てることの問題点は、将来を考えることにあります。前章でも触れましたが、人間は将来を悲観的に見る傾向が有ります。私の好きな歌手のマドンナはラリーキングライブに出演した際、「マスコミはセンセセーショナリスト。批判的、悲観的なニュースいしか話題にしない。私はテレビも新聞も見ない。」と言っていました。実は私も同意見です。私はテレビ局で働いていたので、この仕組みがよく分かります。この本を書いている現在、日本のマスコミは新型インフルエンザの話題で、異常なほど過熱していますが、私はこのインフルエンザによる死者は日本ではそんなに多くないと楽観しています。

将来は不確定で多くは悲観的に見られがちです。私がビジネスに成功出来たのも、会社設立時にこれと言った計画を持っておらず将来をあまり考えていなかったので悲観的に成らずに済んだ。また目的まではジグザグで(私はよくロッククライミングにたとえます。登る線がジグザグで不連続。その場に行ってみなければ分からない)14章で見たように、一見無駄に見える多くのトライが必要と気づいたからです。

第50章のまとめ

長期計画は余り意味がない。将来はその場に行ってみなければ分からない。目標までの道のりは概して直線的ではなくジグザグである。

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Q49.あなたは、リスクヘッジ型ですか、それともリスクテイク型ですか?

リスクヘッジ型のリーダーが経営する会社で長い繁栄を続ける会社を私は知りません。無借金経営で守りに強いと言われた、食品メーカーの加ト吉は破綻しました。京セラも無借金ですが、これは資金に余裕があっただけで、大変なリスクを冒しています。そうKDDIの創業です。当時NTTと協奏するなどと大それた事は誰も考えませんでした。何しろNTTはもとをただせば逓信省、つまり国営企業です。日本たばこのライバルが国内でいない様に、NTTのライバルに成るのも難しいと皆思いました。

私が感心するのは、京セラが世界企業となり社長の稲盛さんも経済界のヒーローになった後にリスクをとっていることです。普通はある程度成功するとそれで満足し、あえてリスクを冒さない。ここに稲盛さんのすごさがあると思います。

最近読んだ本で、コカコーラの元社長ドナルドキーオ氏の「ビジネスで失敗する人の10の法則」があります。そこで取り上げられている話に、「先史時代の生活はリスクだらけでリスクに対する準備が生命を守る唯一の方法であった。」というのが有ります。つまり、我々の遺伝子には現代に必要な感覚以上にリスクをおそれる気質が組み込まれているとのこと。つまり現代人はリスクに対する恐怖を割り引いてちょうど良いくらいなのです。

ビジョナリーカンパニーに「トライアンドエラー」の項目が有ります。いろいろな事にチャレンジして初めてものになる商品が生まれる。多くのトライ無くして新商品はなく、新商品なしに会社の将来はない、とのことです。リスクを取らないリスクを認識出来る様になるのは大分先のようです。

第49条のまとめ

現状に安住しリスクをとらない会社は一時的には繁栄しても長続きはしない。

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Q48.社長の究極的な役割とはどの様なものでしょう?

社長業とは何かという問いにはいろいろな答えが帰って来そうです。目標を設定すること、模範を示すこと、リーダーシップをとること、株主に最大のメリットを与えること、等々です。

日本を代表するフレンチレストラン「コートドール」のオーナーシェフ、斉須政雄さん著の「調理場という戦場」という本が有ります。この本は、実は経営書としても優れています。レストランのオーナーのタイプ、経営で言えば社長のタイプを2種類に分けています。一つめは有名な「タイユバンロブション」のジョエルロブションさんタイプ。機能的、合理的で組織的に役割分担がはっきりしていた、いわばピラミッド組織。1人の天才を100人で支えるような組織です。しかしここで斉須さんは居心地が悪かったのか短い間で辞めています。

もう一つは、斉須さんが、ペローさんというオーナーの所で働いていた時に感じた役割。斉須さんは、その店をとっても気に入ったといいます。何よりペローさんの立ち居振る舞いが好きだったそうです。ペローさんは、朝一番にお店に来ます。しかし調理場にはたちません。その代り、掃除をしていたり、窓を磨いていたり、と非常に目立たない仕事をするのが日課です。初めの頃は何をしているのかよく分からなかったそうです。

後に「ペローさんは実は、調理師達やソムリエ、ホールのボーイ達に働きやすい環境を作っているのだ」と、斉須は気づいて来きます。もちろんオーナーシェフですので調理の腕は天下一品なのだけれど、滅多に調理場に立たないそうです。

このところを読んでいて私は、たまに行く駒形のどぜう屋さんのオーナーを思い出します。数百年の歴史を持ち、未だ多くの人に愛される店のオーナーなのですが、実は初めの頃は当主とは気がつきませんでした。この方は、お店のベンチに座り、にこにこしていて一見雑務係の様です。一度北海道から父をこの店に連れて行ったのですが、帰り際にこのおじさんは何気なく父に話しかけ、どこ彼来たのかと問いました。父が北海道から来たのだと答えると、記念写真を撮ってあげましょうと首に下げていたカメラを取り出し、写真を撮ってくれました。住所と名前を書いて店を後にしましたが、後日北海道の父の所に写真と直筆の丁重なお手紙が届き、父も喜んでおりました。そしてその年のお正月には、父の所に年賀状を送っていただきました。この時点で私はただの案内係のおじさんではないなと思いました。ある時仕事で浅草を朝歩いていてこのドジョウ屋さんの前を通りかかると、なんとこのおじさんが従業員の先頭に立ってドジョウの仕込みをしているのが外から見えました。

「セムラーイズム」(あるメキシコの実業家の名前)と言う本に「社長とは何か」という問いが出ていました。この著者は、次の言葉一言で表していました。「社長とはカタリスト(触媒)である」と。ペローさんやドジョウ屋のおじさんの役割は働きやすい環境を作ると言う意味で、カタリストになります。

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私の経営のバイブル「ビジョナリーカンパニー」の第一章は「時を告げる人」「時計を作る人」というたとえ話です。時間=判断と置き換えて見てください。「時を告げる人」は自分で物事を何でも判断する経営者。その人が活躍中はいいですが、去った後、会社の繁栄は長続きしないと、歴史が示しています。

一方、自分で判断する替りに、判断力のある人を育て、判断を任せる人のことを「時計を作る人」とたとえます。自分はあまり出しゃばらずに、社員に判断力を身につけさせる。この場合は、自分が去った後も会社は永続して発展するとやはり歴史が証明しています。

時を告げる社長をいただく会社、もう一つは時計を作る(カタリスト的)社長をいただく会社。第17章で見たように、現代は社員1人1人の創意工夫のみが付加価値を生む時代です。これからの時代を生き抜くには社長はカタリストになるべきと思います。

第48章のまとめ

社長の役割はカタリスト(触媒)。自分で判断するより(時を告げるより)、判断力を持つ社員を数多く育てよ。(時計を作れ)

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Q47.あなたは、自分が何のために働いているかを理解していますか?

これは、ずばり「社会(顧客)に貢献し、結果的に自分を成長させる為」と思います。おまけとして「生活費を得る」があると思います。

お金が第一目的になってしまうと、顧客や社会に貢献すると言う真摯な態度から、「顧客をコントロールしてお金を儲けよう」という「お客様と自分のゼロサムゲーム」になってしまいます。詐欺師を職業といえるかどうか分かりませんが、詐欺師はゼロサムゲームを行っています。顧客(被害者)からお金をせしめるだけで、何ら付加価値を生んでいません。

自分自身を成長させるという観点が無いと、「仕事に辛抱が無くなります」人間は弱いので怠惰になってしまいます。

人間の頭の中にあるいろいろな知識が、現代社会では最も希少価値のある経営のリソースであると第17章で触れました。この知識は覚えるだけではだめで、実際に経験してみなければ身につきません。ちょうど車の運転を理論だけ理解してもすぐに車は運転出来ないように。また、もてたい余り、恋愛についていくら研究しても実際の恋愛を経ないと、もてるようには決してならない様に、と言うことです。

仕事には予想外のいろいろな出来事が待ち受けています。知識や経営理論は基本を理解し、それの応用である実際のビジネスの現場で使って初めて受肉する。そうで無ければ、経営理論はただの骸骨です。

アメリカの大学院の様に、疑似体験としてのケーススタディというのも有りますが、やはり実際の経験にはかないません。知識を活かし実地で働くことが知識を増やし自分を成長させ、社会に役に立てる様になります。

第47章のまとめ

働く目的は、社会貢献による自分自身の成長で、結果として生活費がついてくる。お金第一では成長出来ない。

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Q46.苦境に陥った時、どう考えますか?

前章をお読みになった方ならもう答えはご存じのはずです。そうです。苦境とは、あなたにとって最高の出来事なのです。これに気づくか気づかないかだけです。

 

 苦境の時は、起きたことに対する「意味付け」が大切です。「このことは自分にとっていったい何のために起こったのか?」のかを考えることです。考えれば必ず意味は見つかります。その意味する所へ迷い無く走り始めるのです。

 

 もし意味を見つけて、それに向かって行けば、後になって必ず、「やはりそうだったのかと」納得されるはずです。

 

 もし意味づけを行わずに、ただただ路頭に迷っていたなら、せっかくの学びチャンスを失うばかりが、状況がより悪くなり(つまりもっと強く意味づけを考えさせるための天の采配)、乗り越えるハードルは高くなります。

 

 あのトヨタは下請け工場に値下げを要求する時に5%とか10%とかではなく30%を要求するそうです。5%や10%なら既存のやり方で何とかなるかもしれませんが30%を要求すると、既存のやり方を一から見直しイノベーションを行わなければならなくなります。

 

 これを下請けの方から見ると、30%もの値下げは一見、苦境に見えます。しかし視点を、「そこをくぐり抜ける為には、イノベーションを起こすしかない。値下げ要求は実はイノベーションのチャンスである」と見ると意味づけがはっきりします。こうしてトヨタの下請け会社は世界で最も競争力のある起業集団に磨き上げら、トヨタ以外とも取引をして、世界的に活躍しているのです。

 

第46章のまとめ

一見苦境に見える試練は、実は学びのチャンスととらえる事により、企業や社員の競争力は増しますます強い会社になっていく。

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Q45.あなたは神(もしくは神の様な知的エネルギー体)や魂の存在を信じていますか?

神や宇宙のエネルギーを感じ取ることの利点は次の3つです。

①  起こっていることはすべて正しい(ポジティブシンキング)

②  信仰が人間を善に近づける(コンプライアンス)

③  仕事の意義(特にプロテスタント、勤勉、合理的、禁欲)

 

まず①です。ここでは、インドの昔話「アシュタバクラ」のお話をしましょう。

 

昔、インドにジャナカ王という王様がいました。そして、その家臣にアシュタバクラという者がおりました。王様から、「これについて、おまえはどう思う?」と聞かれると、アシュタバクラはいつも、「起こることは、すべて最高でございます」と答えました。王様は、そんなアシュタバクラをとても信頼し、いつもそばにおいていま
した。そして、他の家臣たちが、そのことに嫉妬して罠をしかけたのです。

 ある日、王様が手に怪我をしました。いじわるな家臣たちが、アシュタバクラのところに行き、「王様が怪我をされたことを、どう思う?」と聞きました。アシュタバクラは答えました。「起こることは、すべて最高です」家臣たちは、このことを王様に告げ口しました。「王様!アシュタバクラは、王様の怪我のことも最高と言っております。」それを聞いて怒った王様は、アシュタバクラを牢屋に入れました。

 そして、その日は狩りの日でした。王様は他の家臣を連れて狩りに出ました。王様は、一人で森の奥深くにまで入り、そこで“人食い部族”に捕まってしまいました。その部族は、儀式の時に人を生け贄としてささげ、火あぶりにするのです。ところが彼らは、火あぶりの直前になって、王様が手に怪我をしていることに気づきました。傷ものは生け贄にできないので、彼らは王様を放免しました。

 無事に帰って来ることができた王様は、すぐにアシュタバクラを牢屋から出して、あやまりました。「おまえが言ったとおり、わしが手に怪我をしたのは、最高のできごとであった。しかし、そんな大事なことを教えてくれたおまえを、わし牢屋に入れてしまった。そのことを悔やんでいる。どうすれば、この過ちをつぐなえるだろうか?」

 すると、アシュタバクラは言いました。「王様、私はいつも、起こることはすべて最高だと申し上げているじゃありませんか。もしも、私を牢屋に入れて下さらなかったら、私はいつも狩りでは王様の側から離れないので、いっしょに捕まっていたことでしょう。そして、怪我をしていない私は、生け贄になっていたことでしょう。だか
ら、牢屋に入れていただいて、最高だったのです。」

 これを聞いて王様は悟りました。「そうか!人生で起きることは、本当にすべて最高なのだ。一見よくないことのように見えても、広く見れば最高なのだ。そして、そのことを信じていなければ、それに気づかないんだな。」船井幸雄さんも同様の事を言っておられます。船井さんの言葉に「人生で起きることはすべて、必要で必然でベストなこと。」が有ります。

 私の実体験でもそれがいえます。私は会社を起業して7年目で社長を退任したのは、体調を崩したからです。上場を果たした時の目標は、「タイミング良く辞めて自分がオーナーの会社を興そう」と言うことでした(会社を所有するのが次の目標でした)。ところが、いろいろな事情を考えてしまい行動に移せずずるずると留任し続けました。そして実際辞めた時は、好むと好まざるとに係わらず体調不良で辞めなければならない状況になってからです。

 

しかし、このことが今まで働き詰めであった体を休めるチャンスとなりました。当時体重84キロ、血圧180、糖尿の気配、抑鬱感、神経性腸炎による慢性的下痢、とあのまま続けていたらどうなった事か・・。

 今は体重65キロ、血圧は120、野菜中心の食事を自分で作り、腸は完璧でこのような場で恐縮ですがすばらしい便、抑鬱感も改善しつつあり、おまけとしてスタイルが良くなり、洋服が似合うようになりました。もうしばらく休んだら、今度は自分がオーナーの会社を作ろうと考えています。

 

体調を大きく崩すという一般的には「悪いこと」が自分にとっては良いことだったのです。また、この本も、もし今でも多忙な上場会社の社長業をしていたなら書けなかったでしょう。

 

起こっていることはすべて正しいと理解し始めると、多くの人は因果応報の法則が有ることに気がつき始めます。これが信仰を持つと言うことです。すべての出来事は自分の行った行動の結果であると感じる様になります。人から助けられるには、先ず自分が人助けをしなければならないと思うようになります。

 

私は、愛犬HANAと毎日夜に散歩を楽しんでいます。そのときに、他のワンちゃんの拾い忘れた糞が有ることがあり、私はそれも一緒に拾う事にしています。愛するHANAの健康、長寿を願いながら。

 

次に移ります。人間を善に近づける事は、会社のコンプライアンスに直結します。法律があるから、義務だからとコンプライアンスを考えるのと、心の底からコンプライアンスを信じ体現するのでは大違いです。世間を賑わせる大企業の不祥事は、経営陣が心からコンプライアンスと言うことに価値を見いだしてはおらず、「バレなければいい」と思ってしまう事より起こるのだと思います。

 

「仕事の意義」についてお話します。皆さんマックスウエバーをご存じですか、私は、大学卒業時に一夜漬けで学びました。そのときは内容を深く考えませんでしたが、今ではこの考え方は事実だと思っております。

ウエバーによると、オランダ、イギリス、アメリカなどカルヴィニズムの影響が強い国では合理主義や資本主義が発達したが、イタリア、スペインのようなカトリック国やルター主義の強いドイツでは資本主義化が立ち遅れた。こうした現象は偶然ではなく、資本主義の「精神」とカルヴィニズムの間に因果関係がある。ここでいう資本主義の「精神」とは、単なる拝金主義や利益の追求ではなく、合理的な経営・経済活動を支える精神あるいは行動様式(倫理感)です。

カルヴァン予定説では、救済される人間は予め決定されており、人間の意志や努力、善行の有無などで変更することはできません。禁欲的労働に励むことによって社会に貢献し、あらかじめ約束されている救済を、ようやく確信するようになります。また、呪術は救済に関係がないので禁止され、合理的な精神を育てるようになりました。

このような職務遂行の精神や合理主義は、近代的・合理的な資本主義の「精神」に適合していて、禁欲的労働によって蓄えられた金は、禁欲であるから浪費されることもなく、再び営利追求のために使われることになったのです。

 

 ウエバーの視点から「仕事の意義」を考えると、あらかじめ救済されている自分が本当に救済されていると確信するための努力と言い換えることが出来ます。日本人にはわかりにくい概念ですが、このことにより資本主義が発達、つまり信仰心が健全な資本主義を生んだのは事実と思います。

 

 私は特に決まった宗教を信仰している訳では有りませんが、空を見て現在の自分の境遇に感謝する事がしばしば有ります。義務ではなく、本当に感謝しているからです。

 

第45章のまとめ

神や宇宙エネルギーなど人間より偉大なものの存在を信じる事により、健全で、社会に役に立ち、結果もうけも多い職業人になることが出来る。

 

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Q44.あなたは①職人、②管理職、③アントレプレナーのうちどのタイプですか?

一般的な中小企業は、社長が職人気質で個人商店の形からスタートしている場合が多いです。ところが商売が繁盛してくると経理、人事、総務などの管理業務が社長を待っています。元々職人タイプの人は、このような管理業務が得意ではありません。

私の高校時代の親友に札幌で税理士を開業している島上浩一さんがいます。彼のクライアントは飲食店が多く忙しくしています。さぞ事務所としても安定的な利益を出しているのだろうと聞いてみると、「いや、クライアントのほとんどが職人タイプで、年度末になって日付もバラバラな領収書を持ってきて、後はよろしくお願いします、と言う人が多い。くたびれ損の骨もうけである」とぼやいておりました。

このようなお店は、年度を締めるまで儲かって居るかどうか分かりません。実際は大きな赤字を出しているのに年度末まで気がつかないと言うケースはしばしばあるそうです。このような会社は、いくら繁盛しているように見えても資金繰りが行き詰まり黒字倒産する事も希では無いとのことです。

私のおすすめは、事業が発展し管理業務が増え、自分でこなすことに無理を感じたら、管理業務の得意な人を雇い入れる事に限ると思います。社長は職人の仕事に集中していればいい。

このような状態で会社が発展する場合、3つの落とし穴が有ります。

一つは、社長が1職人としての仕事しかせず、残りを管理担当の人に丸投げしチェックもしていない場合。たぶんこの管理の人は遅かれ早かれ会社を辞めてしまうでしょう。実は管理関係の仕事は本来社長が最終的に判断をしなければいけない分野で、ここを丸投げしたのでは、管理担当者が普通の給与で社長の仕事、例えば資金繰りなど、をする羽目になる。これでは割に合わないと感じ始めるからです。

もう一つは会社が実質管理担当者のものになってしまうと言う現象です。例えば、従業員は社長の言うことは聞かないが、管理担当者の言うことはよく聞く、等です。実際にリスクをとっている社長が「社長の権限を明け渡す」とするならこれもいいでしょう。ただし、その場合は社内社外に混乱を産まないため、この管理担当者を社長にすべきです。

実例では、マイクロソフトの創立者ビルゲイツ氏は、3年くらい前から、「自分はCEOの職責よりCTO(技術開発担当責任者、つまり職人)の方が才能を活かせる」と考え、スティーブパルマー氏にCEOの座を明け渡してしまいました。

あともう一つ、不正です。人間弱いもの、他人のお金をチェックなしに預けられると、最初は変な気が起きなくとも、時間の経過とともに自分の懐にお金を入れたくなるのが人情です。このような事は、やる本人が悪いのは当たり前ですが、このような環境を作ってしまった創業者にも責任が有ると私は、思います。不正の出来ない、仕掛け作りを創業者が作っておくことは、管理担当従業員への思いやりです。

アントレプレナータイプの人が持っているのは「情熱」とリスクをとる「勇気」です。これは職人タイプの人が併せ持っている事が多いです。しかし、成り行きで会社を作ってしまったとか親の事業を継いだ場合など社長の右腕左腕には情熱を持ちリスクを取る人が必要です。

このような3つの資質が会社運営に必要なのは、マイケルEガーバー著の「初めの一歩を踏み出そう」から、多くを学びました。希に三拍子そろった人がいます。しかし、前に学んだ様に、1人で会社を切り盛りするとワンマン体制になりやすいので、主に管理面にCFOを置きCEOはその報告を聞くとした方がいいと思います。

第44章のまとめ
事業には「職人」「管理」「アントレプレナー」の3つの資質が必要。一つでも欠けると事業は行き詰まる。仮に社長すべて併せ持っていても、ワンマンを避け権限を分散したほうが経営はうまくいく。

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ソシュール理論による外国語学習法

英語が全く駄目だった筆者が言語学者であるソシュールにヒントを得て生み出した2年でTOEIC900点をめざせる全く新しいアプローチの外国語取得方法を紹介します。

髪林孝司プロフィール

髪林孝司

髪林孝司:
システム経営コンサルタント
職歴:
株式会社リクルート
(住宅情報事業部)
株式会社テレビ東京
(経理部、営業部、国際営業部、編成部、マーケティング部、イ ンターネット部などを歴任)

2001年
テレビ東京ブロードバンド企画設立
代表取締役社長就任
(主要株主;テレビ東 京、NTT東日本、シャープ、NECインターチャネル、集英社、角川ホールディングス、 小学館プロダクション、DoCoMoドットコム、ボーダフォン)

2005年
同社東証マザーズ上場

2006年
インターエフエム買収
代表取締役社長就任(兼任)
11年連続赤字累損22億の会 社を1年で4000万弱の黒字会社にターンアラウンド

2008年6月
テレビ東京ブロードバンド取締役退任

略歴:
札幌生まれ
趣味:
ロードバイク
中華料理(家族の食事は私が作っています)
タブラ(インドの打楽器)