Q50.あなたは仕事には、効率を求める方ですか?
2010-06-29 (火)
私も仕事には効率性が大切だと思っていました。目的まで一直線に最短距離を行けばいいと考えていました。しかし実際に会社を経営して見るといろいろな事が起こります。あの事さえ無ければ計画通りだったのにとか、株式市場がもっと活気づいていれば資金が調達出来たのにとか、大株主がもっと柔軟だったらやり遂げられたのにとかです。
しばらく社長をしていて分かった事は「世の中先は分からない」と言うことです。先の分からない事に対して、自分たちに都合のいい計画を立てても余り意味はない。よく大企業では長期計画と称して、3カ年、5カ年などの計画を立てます。このような計画がうまくいかない事はソビエト連邦の崩壊を見ても明らかです。
また、計画を立てることの問題点は、将来を考えることにあります。前章でも触れましたが、人間は将来を悲観的に見る傾向が有ります。私の好きな歌手のマドンナはラリーキングライブに出演した際、「マスコミはセンセセーショナリスト。批判的、悲観的なニュースいしか話題にしない。私はテレビも新聞も見ない。」と言っていました。実は私も同意見です。私はテレビ局で働いていたので、この仕組みがよく分かります。この本を書いている現在、日本のマスコミは新型インフルエンザの話題で、異常なほど過熱していますが、私はこのインフルエンザによる死者は日本ではそんなに多くないと楽観しています。
将来は不確定で多くは悲観的に見られがちです。私がビジネスに成功出来たのも、会社設立時にこれと言った計画を持っておらず将来をあまり考えていなかったので悲観的に成らずに済んだ。また目的まではジグザグで(私はよくロッククライミングにたとえます。登る線がジグザグで不連続。その場に行ってみなければ分からない)14章で見たように、一見無駄に見える多くのトライが必要と気づいたからです。