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Q33.社長は、すべての契約書を隅から隅まで読み込んでいますか?

私は、社長時代に契約書で2回ほど手痛い思いをしています。契約書をしっかり読み込んでおけば防げていたはずです。

一つめは、アメリカのセサミストリートの制作会社及びライツホルダーの「セサミワークショップ」が相手でした。テレビの放送権とセットでマーチャンダイジングなどオールライツを獲得しました。テレビ放送が終わった場合のマーチャンダイジングのロィヤルティ計算方法について契約書に曖昧な部分があり、結果日本サイドは予定外の支払いをしなければ成らなく成りました。交渉の大詰めまで私が中心人物だったので、責任は重いです。1億3千万円ほど損しました。

もう一つは、ラジオ局のM&Aの際にM&Aに関するフィナンシャルアドバイザー業務を委託した会社が相手でした。先方の依頼で契約書の終わりにある一文が追加されて入れ、結果報酬を2000万円ほど多く支払う羽目に成ってしまいました。

両方とも相手が外国人で契約書が英語で書かれていました。しかし、契約書の英語は実はわかりやすく、私レベルでも十分に理解出来ます。これらの時は、読み込みは十分とはいえなかったと反省しています。

話は変わりますが、友人などの借金の保証人に成り大金を失う芸能人がいます。彼らは、保証人の意味をしっかり理解していなかっただけでなく、そもそも契約とは何かを理解していなかったのでしょう。

経営者は交わされる契約書に可能であればすべて目を通すべきです。しかし件数が多い場合、なかなか身を入れてすべての契約書を読み込むのは難しい。そのような場合、顧問弁護士や社内の法務セクションで一回フィルターを掛け、例えば1000万円以上の契約に関しては社長と役員が目を通すなど、捺印までのプロセスをシステム化すべきです。私の会社ではサイボウズというスケジュール管理のASPサービスに付随している稟議決済機能を使いました。

第33条のまとめ

契約書にしっかり目を通さずに印を押たり、サインをしてはいけない。契約書を安易に考える会社はいつか痛い目を見る。

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ソシュール理論による外国語学習法

英語が全く駄目だった筆者が言語学者であるソシュールにヒントを得て生み出した2年でTOEIC900点をめざせる全く新しいアプローチの外国語取得方法を紹介します。

髪林孝司プロフィール

髪林孝司

髪林孝司:
システム経営コンサルタント
職歴:
株式会社リクルート
(住宅情報事業部)
株式会社テレビ東京
(経理部、営業部、国際営業部、編成部、マーケティング部、イ ンターネット部などを歴任)

2001年
テレビ東京ブロードバンド企画設立
代表取締役社長就任
(主要株主;テレビ東 京、NTT東日本、シャープ、NECインターチャネル、集英社、角川ホールディングス、 小学館プロダクション、DoCoMoドットコム、ボーダフォン)

2005年
同社東証マザーズ上場

2006年
インターエフエム買収
代表取締役社長就任(兼任)
11年連続赤字累損22億の会 社を1年で4000万弱の黒字会社にターンアラウンド

2008年6月
テレビ東京ブロードバンド取締役退任

趣味:
ロードバイク
中華料理(家族の食事は私が作っています)
タブラ(インドの打楽器)