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Q29.社長は財務諸表が「対税務署」「対監査人」「対内部」の3種類あることをご存じですか?

私が会社をはじめてまもなくの事です。経理部門を強化しなければいけないと思い、公認会計士と資格を持つ方をCFOに招きました。

私は若い頃にそれなりに経理をこなして来たので、ある程度は分かると高をくくっていました。

彼が着任し数ヶ月経ってからですが、彼からいろいろ月次決算の修正仕分けが出てきたのです。私は、「税務署の指導通りにやっているが何か問題があるのか?」と問うと、彼は、「税務署に出す決算と、会経原則に則った決算は違います」というのです。「それでは2重帳簿にならないのか」と言えば、「いえなりません。」とのこと。税務的には、費用として認められない物でも、最新の会計基準(投資家に業績の開示をする為の基準)則れば費用として落とさなければいけないものが多い。会計では投資家の為に『保守主義の原則』(なるべく早く費用化に努め、見せかけの利益を大きくしない)というのがあり、税務署の考え方とはあわない、との事です。

これからは、投資家保護の為に会計基準に則り決算し、費用化を税務署が認めない項目のみを対税務署向けに修正申告(対税務署にしか使わない)し、税金を払います。これを。「有税償却」といいます。

これは、私にとっては新しい考え方でしたので「そうか対税務署と対監査人とでは財務諸表が違う物になるのか」と納得しました。その後、会社が上場し、私はこの「対監査法人」と言うのが「対投資家」へと言い換える事に、納得感を得ました。

もう一つ対内部とは「管理会計」の事を指します。これの重要さに関しては前に触れましたが、繰り返しここで強調しておきたいと思います。

第29章のまとめ

財務諸表は3種類用意しなければならない。会社に大切なのは社内用。

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ソシュール理論による外国語学習法

英語が全く駄目だった筆者が言語学者であるソシュールにヒントを得て生み出した2年でTOEIC900点をめざせる全く新しいアプローチの外国語取得方法を紹介します。

髪林孝司プロフィール

髪林孝司

髪林孝司:
システム経営コンサルタント
職歴:
株式会社リクルート
(住宅情報事業部)
株式会社テレビ東京
(経理部、営業部、国際営業部、編成部、マーケティング部、イ ンターネット部などを歴任)

2001年
テレビ東京ブロードバンド企画設立
代表取締役社長就任
(主要株主;テレビ東 京、NTT東日本、シャープ、NECインターチャネル、集英社、角川ホールディングス、 小学館プロダクション、DoCoMoドットコム、ボーダフォン)

2005年
同社東証マザーズ上場

2006年
インターエフエム買収
代表取締役社長就任(兼任)
11年連続赤字累損22億の会 社を1年で4000万弱の黒字会社にターンアラウンド

2008年6月
テレビ東京ブロードバンド取締役退任

趣味:
ロードバイク
中華料理(家族の食事は私が作っています)
タブラ(インドの打楽器)