ソシュール理論による外国語取得法

日本語の母音は日本だけでしか通用しない

中学校に入って初めて英語を習った時、This is a pen. の発音を発音記号ではなく、日本語のカタカナに置き換えて「ジスイズアペン 」と覚えた方は多いと思います。実はここに、日本人英語の最大の問題が眠っています。

ソシュールの理論を勉強した皆さんは、「そうか、一つ一つの言葉はおのおの事物とセットになっている訳ではないので国によって一つ一つの言葉がカバーする領域が違うのだ」という事を理解していただいた事と思います。つまり、ある言語と別の言語は意味的に繋がっていない、別々のあたかも中に浮いている図書館の様であると。

実は、発音もそうなのです。日本語の「あいうえお」という母音、「かさたなはまやらわ」と言う子音は日本独特のもので日本語にしか当てはまらないのです。国際的に見て日本は母音が少ない方です。日本人が苦手とするRの音とLの音の区別ですが、日本語のラ行の音は英語のRの音ともLの音とも違います。日本語のラ行おとは英語のLの音に比較的似てはいますが、アメリカ人が聞くとハッキリ訛っているのが解ります。また、ラ行の発音は一種類しかないので、日本人はRの音を発音出来ない、またLの音とRの音を区別出来ないのです。これは、フランス人がHの音を発音できない、韓国人がBの音を発音出来ないのに似ています。

また、日本語は子音も少なめです。英語のthの発音は日本語にありません。これは練習するしかない。また、Vの音も日本語にないものです。

もう一つ日本人英語のなまりを挙げると、言葉の最後の子音が有声音になると言うことです。私は札幌出身ですが、札幌の繁華街と言えば「すすきの」です。このすすきの、本州の人が発音すると何か変な感じがしていましたが、最近やっと理由が分かりました。北海道の人はすすきのの2番目のすが無声音、つまり口ではスの音を出しますが声帯は震えていない。本州の人は2つめのすも有声音にしてしまうので北海道の人が聞くと違和感があるのです。

これと全く同じ事が日本語と英語の間にも起こります。日本語は、無声音の発音がほとんどありません。もしくは、有声音か無声音かに関して文法上の決まりがない。これはひらがなが四面で表記されていることを見ても明らかです。なので、日本人が例えばexpense を発音すると最後のsの音を有声音にしてしまうのです。これは、アメリカ人が聞けばかなり訛って聞こえます。

今日の結論、それは「言語間には、意味上の繋がりもなければ音の繋がりもない各々全く別の世界である」英語の発音をマスターするには、発音記号をしっかり覚えそれぞれの音を理解し、発音するための口の形を繰り返し練習することが大切です。

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ソシュール理論による外国語学習法

英語が全く駄目だった筆者が言語学者であるソシュールにヒントを得て生み出した2年でTOEIC900点をめざせる全く新しいアプローチの外国語取得方法を紹介します。

髪林孝司プロフィール

髪林孝司

髪林孝司:
システム経営コンサルタント
職歴:
株式会社リクルート
(住宅情報事業部)
株式会社テレビ東京
(経理部、営業部、国際営業部、編成部、マーケティング部、イ ンターネット部などを歴任)

2001年
テレビ東京ブロードバンド企画設立
代表取締役社長就任
(主要株主;テレビ東 京、NTT東日本、シャープ、NECインターチャネル、集英社、角川ホールディングス、 小学館プロダクション、DoCoMoドットコム、ボーダフォン)

2005年
同社東証マザーズ上場

2006年
インターエフエム買収
代表取締役社長就任(兼任)
11年連続赤字累損22億の会 社を1年で4000万弱の黒字会社にターンアラウンド

2008年6月
テレビ東京ブロードバンド取締役退任

趣味:
ロードバイク
中華料理(家族の食事は私が作っています)
タブラ(インドの打楽器)