ソシュール理論による外国語取得法

バイリンガルの危険な罠「インターナショナルスクール」

ジョージオーゥエルの小説1984には、一握りのエリートが大多数の人間を支配するために、ニュースピークという言語を教育し思考能力を奪っていくという話が書かれています。きっとオーゥエルは言語と思考の密接な関連性を知っていたのでしょう。以下にニュースピークについて述べます。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

ニュースピーク (Newspeak、 新語法)は、思考の単純化と思想犯罪の予防を目的として、英語を簡素化して成立した新語法である。語彙の量を少なくし、政治的・思想的な意味を持たないようにと修正され、この言語が普及した暁には反政府的な思想を書き表す方法が存在しなくなる。

付録として作者によるニュースピークの詳細な解説が載っている。 これによるとニュースピークにはA群B群C群に分けられた語彙が存在し、A群には主に日常生活に必要な名詞や動詞が含まれ、その意味は単純なものに限定され文学や政治談議には使用しにくいもののみがイングソックによる廃棄をまぬがれる。B群には政治に使用される用語が含まれ少なからずイデオロギーを含んだ 合成語が含まれる(例: goodthink(正統性)、crimethink(思想犯罪))。C群にはほかの語群の不足を補うための科学技術に 関する専門用語が含まれる。

またニュースピークは現代英語を必要最小限にまで簡略化することを目指しており、現在では別々の言葉が似たような意味を持つという理由で統合され名 詞や動詞の区別も接尾語により変化する。たとえばthought(思想[名詞])はニュースピークの文法では think(考える[動詞])で代用でき、speed(速 さ[名詞])に形容詞をあらわす -ful や副詞をあらわす -wise を加えることでそれぞれの品詞に自在に変化する。bad をあらわすには good に否定の接頭語 un- をつけた ungood でこと足り、強意表現はplus-, doubleplus- といった接頭語をつけることで表現される。また、Minipax などのように略語を 極端に採用しているが、これによって本来の語源を考えることなくまったく自動的に単語を話すことができる(これにはかつてソ連が「コミンテルン」などのような略語を多用したことの影響がある)。

新語法(ニュースピーク)辞典が改定されるたびに語彙は減るとされている。それにあわせシェークスピアなどの過去の文学作品も書き改められる作業が進められている。改訂の過程で、全て の作品は政府によって都合よく書き換えられ、原形を失う。free の意味も「free from ~」(~がない)の意味しか残らず「政治的自由」「個人的自由」の意味は消滅しているなど変化しており、原文の意味を保って自由や平等を謳う政治宣言など をニュースピークに翻訳することは不可能になる。

なお、ニュースピークという言葉自体が既にニュースピークである。本来、speak という単語に名詞としての用法は無い。

ダブルシンク

ダブルシンク(doublethink、二重思考)は、1人の人間が矛盾した2つの信念を同時に持ち、同時に受け入れることができるという、 オセアニア国民に要求される思考能力である。現実認識を自己規制により操作された状態でもある。

過去を支配する者は未来まで支配する。現在を支配する者は過去まで支配する
政府が過去を改竄し続けているのは、党員が過去と現在を比べることを防ぐため、そして何よりも党の言うことが現実よりも正しいことを保証するため である。党員は党の主張や党の作った記録を信じなければならず、矛盾があった時は「犯罪中止」により誤謬を見抜かないようにし、万一誤謬に気づいても「二 重思考」で自分の記憶や精神の方を改変し、党の言うほうが正しいということを認識しなければならない。
古代の専制者は命じた。汝、するなかれと。全体主義者は命じた。汝、すべしと。我々は命じる、汝、かくなり、と
オブライエンの言によれば、かつての専制国家は人々に対しさまざまなことを禁止していた。近代のソ連やナチス・ドイツなどは人々に理想を押し付け ようとした。今日のオセアニアでは人々はニュースピークやダブルシンクを通じ認識が操作されるため、禁止や命令をされる前に、すでに党の理想どおり の考えを持ってしまっている。党の考えに反した者も、最終的には「自由意思」で屈服し、心から党を愛し、党に逆らったことを心から後悔しながら処 刑される。
2足す2は5である(2+2=5、Two plus two makes five)
この小説を象徴するフレーズの一つ。スミスは当初、党が精神や思考、個人の経験や客観的事実まで支配するということに嫌悪を感じて(「おしまいに は党が2足す2は5だと発表すれば、自分もそれを信じざるを得なくなるのだろう」)自分のノートに「自由とは、2足す2は4だと言える自由だ。それが認め られるなら、他のこともすべて認められる」と書く。後に愛情省でオブライエンに二重思考の必要性を説かれ拷問を受け、最終的にはスミスも犯罪中止と二重思 考を使い、「2足す2は5である、もしくは3にも、同時に4と5にもなりうる」ということを信じ込むことができるようになる。

ダブル スピーク

ダブルスピーク(doublespeak、 二重語法)は、矛盾した二つのことを同時に言い表す表現である。「戦争は平和」・「真理省」のように、例えば自由や平和を表す表の意味を持つ単語で暴力的 な裏の内容を表し、さらにそれを使う者が表の意味を自然に信じて自己洗脳してしまうような語法。他者とのコミュニケーションをとることを装いながら、実際 にはまったくコミュニケーションをとることを目的としない言葉。

実は作品には登場しない用語であるが、初版発刊後の1950年代に発生し一般化した言葉で、しばしば作品由来と考えられている。ニュースピークのB 群語彙の定義におおむね影響を受けている。また、現実にある政策や婉曲話法などを批判的に言及する際に「二重語法」という言葉を使うことがある。たとえば 事業の再構築を意味するリストラクチャリング(リストラ)を単に「従業員の大規模解雇」の意味に使用するなど。

Wikiより

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

さて本題に戻ります。ソシュールは「言語は人間の思考の道具ではなく、言語そのものが思考だ」と言っています。母国語を深く理解し、その言語の影響を受けながらも人は深い思考、論理的思考が可能になります。私は英語に不自由しません。仕事で英語を使う時は英語ですべてを考えて話しますが時々英語の自分は日本語の自分に比べ思考能力や思考スピードがかなり落ちているなと実感することがあります。英語で仕事をいている時に重要な決断はできないなと日頃から感じています。

別の話を一つ。私の友人に神戸生まれでイギリス国籍のバイリンガルで同じ年の人がいます。日本語も英語も全く訛りなく話しますが、どうも深い思考になると二つの言語のうちどちらを使うかで葛藤があるようです。どちらを使うにせよその言語をかなり深く知っていなければ、複雑で精妙な考えが出来るということです。たとえばその言語で理科や数学を勉強し、九九を暗記し計算できる必要がある。three by four, twelveといければ初めて英語で深く考える事ができるのです。

また、日本語なら漢文、古文の知識は思考に深みをもたらすのと同様、英語圏の人ならラテン語などを学ぶ必要があると思います。一つの言語でそのような豊富な知識を学ぶだけでも大変なのに二つの言語でそれをやるとすれば、相当な覚悟、つまり一つの言語で勉強したことと全く同じ内容を別の言語で学びなおす覚悟が必要です。

私は、今だに日本語で記憶している電話番号を英語ですらすら言えませんし、英語で覚えているアメリカ人の友人の電話番号は日本語ではスーッと出てきません。

幼少期よりインターナショナルスクールに通わせ、バイリンガルと安易に考える親御さんは、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と母国語で学んだ過程を、同じ年月をかけてもうひとつの言語で学びなおさせる覚悟の無い限り、止めた方が賢明です。また、私はその時間を別の勉強にあてた方が良いと思います。英語は中学校から学び始め、大学や社会人の時に一生懸命やるだけで良いともいます。訛りのある英語になるでしょうが、外国語で一般教養を学びなおす時間を母国語でより深い勉強にあてる。その方がお子さんの思考能力や論理性はしっかり身につくはずです。

私の英語はかなり訛っていると思います。しかし、私は訛っている英語を話して一度も恥をかいた事はありません。仕事で困ったこともありません。相手がアメリカ人であれ、イギリス人であれ私の母国語は日本語と知っているのですから。我々が訛った日本語を話すアメリカ人を馬鹿にしないのと同じ理屈です。

up

« | »



book

ソシュール理論による外国語学習法最新エントリー

アーカイブ



howto

ソシュール理論による外国語学習法

英語が全く駄目だった筆者が言語学者であるソシュールにヒントを得て生み出した2年でTOEIC900点をめざせる全く新しいアプローチの外国語取得方法を紹介します。

髪林孝司プロフィール

髪林孝司

髪林孝司:
システム経営コンサルタント
職歴:
株式会社リクルート
(住宅情報事業部)
株式会社テレビ東京
(経理部、営業部、国際営業部、編成部、マーケティング部、イ ンターネット部などを歴任)

2001年
テレビ東京ブロードバンド企画設立
代表取締役社長就任
(主要株主;テレビ東 京、NTT東日本、シャープ、NECインターチャネル、集英社、角川ホールディングス、 小学館プロダクション、DoCoMoドットコム、ボーダフォン)

2005年
同社東証マザーズ上場

2006年
インターエフエム買収
代表取締役社長就任(兼任)
11年連続赤字累損22億の会 社を1年で4000万弱の黒字会社にターンアラウンド

2008年6月
テレビ東京ブロードバンド取締役退任

略歴:
札幌生まれ
趣味:
ロードバイク
中華料理(家族の食事は私が作っています)
タブラ(インドの打楽器)