日本で虹は7色、でもアメリカでは6色。
2009-07-12 (日)
日本で虹は7色、でもアメリカでは6色。
日本で街を歩いている人100人に「虹の色は何色?」と問えばほぼ100人とも「7色」と答えるはずです。日本でのこの常識、実は世界では少数派なのをご存じでしたか?紫、藍、青、緑、黄色、橙、赤と日本で6色なのは、日本語で7色だからであって、英語では、purple、blue、green、yellow、orange、redの6色です。ローデシア語では5色、リベリア語ではなんと2色です。ローデシアで街を歩いているローデシア人に「虹の色は何色?」と問えばほぼ100人とも「2色」と答えるはずです。何故、このようなことが起こるのでしょうか?
実は、虹はもともとシームレス(昔の絹のパンティストッキングの後ろにあった境目の線が『シーム』。シームレスは境目が無いことを言う)つまり100色でも1000色でも不十分。色数は無限なのです。実際は無限のものを、7色に区切ったり、6色に区切ったり、場合によっては2色に区切ったり、我々はこの事実を知ると「何か変だな」と思うはずです。
ソシュールさんは、いろいろな言語を研究し、先例のような事実を掘り下げていった結果が晩年の「一般言語学講義」へと結実します。彼の発見した事実とは「世の中のものやことは元々シームレスである。シームレスは世界に言葉を当てはめる場合、無限の言葉というのは無理なので、ある単語で世界のもごとのある一定の幅を定義しているに過ぎない。別の言い方をすれば、事物が先にあって、それに名前が付いているのではなく、名前が付いてから、事物は具体性を帯びると言うものです。
下記の図をご参照下さい。
この図では、あたかも事物が先にあり(もともと分かれて存在し)それに名前が付いていることを表しています。しかし、事物は元来シームレスなのでこのように分かれた状態で存在しておらず、シームレスに混沌と偏在しているに過ぎません。
そこで質問です。「事物が先か名前が先か?」これはソシュール理論を学ぶ上で最も大切な問いです。次週答えに関し説明していきます。ご期待下さい。