うつの原因は解明されていない?
2009-07-09 (木)
私は藁をもすがる思いで、「うつ」に関する本をむさぼり読みました。25冊は読んだと思います。そしてだんだん解ってきたことは、「うつ」の発症や完治について、医学的にはまだ解明されていない、ということです。諸説ありますが、定説は無いのです。
風邪をひいたとき市販の風邪薬を飲む人は結構いるとおもいます。しかし、風邪薬の効能は症状の緩和であって、風邪そのものを根治するものではありません。同じように、抗うつ剤も「うつ」の原因そのものを取り除くような薬ではなく、症状を緩和するいわば痛み止めや解熱薬の様なものなのだと理解しました。抗うつ剤という痛み止めで時間を稼ぎ、自然治癒を待つ。もしくは、抗うつ剤により自然治癒のスピードを早めるということが狙いだとハッキリ理解したのです。
以前のブログで「うつ」のときは体が痛みを感じていると同じであると申しました。痛いのなら痛み止めを飲み、ついでに化膿止めものみ、自然治癒を待つのが適切です。薬無しでそこを無理に堪え忍ぶのはかなりの苦しさと思います。従って、医師の言いつけを守り薬を飲むことを私は推奨します。
よく家族や友人などの生兵法的なアドバイスで薬を飲むのを止めろと言うのがあります。本当に薬を止めててしまい、「うつ」が再発する人を散見します。私もこのような無責任なアドバイスを受けたことがありますが、本当に罪作りなことだと思います。
さて、いろいろな本を読んで根本原因はまだ解明されていないことが解りました。しかし、諸説の中で、「うつ」という病気の現象面を見て、どうもこうなものではないか?という私なりの考えが徐々に固まって来ました。下記をご覧下さい。
それは、
① 長期に渡るストレスにより脳の扁桃帯の興奮状態が続く
② 興奮状態を緩和するため、脳内の感情伝達物質である、セロトニン、ノルアドレナリンなどの分泌量が減る。
③ 重く沈んだ精神状況になり、体を休めざるを得なくなる。
④ 体は休めざるを得ないが、精神は休めない。
次に説明することは、下園さんというカウンセラーの本を読み、私が妙に納得したものです。それは「狩猟時代の人類は長期にわたってストレスが続くと、脳が自動的に体を休めるためうつ状況になる。しかし、休んでいる間もいろいろな危険はつきまとうので、神経を張って寝ない状況にしていなければ殺されてしまう。そこで体は休めるが神経は休めない状況を作り出す様に人類は進化してきたのではないか?その名残で現代人も体は動かなくなるが、神経は張り詰め不眠が続くのではないか、」と言うものです。
⑤現代は医学が発達し体の疾病は早く治るが、精神疾病の方はなかなか直らない。しかし、古代の人類は医学も未発達で、体の疾病が治るまで1-2年はかかった。その間は「うつ」の状況が続くように進化してきた。
⑥抗うつ剤は対処療法とはいえ、その効果は絶大である。従って必ず飲んだ方がよい。
⑦人によって合う薬と合わない薬があるので、主治医の先生と相談しながらいろいろな薬を試してみる。
⑧通常薬が効き始めるまで、3-4週間かかる。従って最低一ヶ月は続けて同じ薬を飲み効果を計る。
⑨半年から1年で最悪の状態を脱する。
⑩その後は半年程度、三寒四温的に揺れながら徐々に回復していく。
⑪9割方直った状況で良しとする。直っても薬を1-2年飲み続け、再発を避ける。
以上です。どこかの哲学者が、「人生は、ややうつの方がよい」と言ったそうです。100%回復にこだわるといつまでたっても直った感じがしません。そこは、糖尿病の様にうまくこの病気とつきあっていくと言う態度が望ましいと思います。