経営者の「うつ」
2010-06-21 (月)
自殺者3万人の中に多くの会社経営者がいるはずです。会社経営者は経営に困ったとき、1.社内に相談相手がいない、2.従業員、取引先などへの責任がある、3.金銭的な負担を一身に背負っている、4.多忙を極め肉体的にも精神的にも疲れている、5.もともとまじめで自罰的な人が多い、など「うつ」を発病する要素が揃っています。人間は、どんなに苦しい状況でも体や精神が疲れていなければ「うつ」にはなりません。
会社経営者とは、行き詰まり感と疲労感が同時に襲ってくる立場なのです。私も上場企業の社長と放送局の社長を兼任していて疲れていました。また、親会社との間で経営に関する方針の食い違いがありここも悩みの種でした。行き詰まり感と疲労が同時に襲ってきたのです。
「うつ」になった時、自分では心の病気と気がつかなかった。朝布団から起き上がれない事が続き、肝臓でも患ったかと思っていました。幸いにも会社の部下が「うつ」を指摘してくれ、病院まで紹介してくれて回復に向かいましたが、あのまま無理を続け病院に行かすに治療を受けていなければ、自殺を思いとどまれたかどうかは、正直分かりません。
会社を経営している方で、疲労感が続く、夜眠れない、食欲が落ちた、何となく憂鬱だ、このような状態が2週間以上続くようであれば、程度の差こそあれ、うつを疑うべきと思います。そして、経営者の「うつ」は適切な治療を受けないと確実に悪化していくたちの悪い病気です。
医師の指導のもと適切な治療を受ければ多くの人が完治する「うつ」、身体の病気と同じく早期発見が決め手です。少しでも心当たりのある会社経営者は精神科の門を億すことなく叩いて下さい。